レジ袋有料化もあり、声高に語られるようになった「プラスチックフリー」。"プラスチック=悪"となりがちな今だけど、実はそうとも限らないかも。
「"ゴミ"っていう考え方自体を見直しています」と話してくれた、ライフスタイリストの大田由香梨さん。プラスチックを減らすことは前提のもと、わたしたちにできることを考えてみよう。
プラスチックの代わりの紙ストローや紙袋も、素材は…。代替品が正とは限らない
大田さんがオーナーを務めるORGANIC TABLE BY LAPAZでは、ドリンクのオーダーを受けたときにストローが必要かを確認し、必要な場合は無農薬野菜の「ほうれん草の茎」をストローとして提供していたこともあるそう。
"プラスチック=悪"その前に…「上手に手放すこと」できてる?
プラスチックを減らすことはもちろん重要だけれども、手放し方次第で「資源」になることも忘れたくないこと。
プラスチックって、本来であれば天然資源を使っていくよりも「リサイクルできる素材」として、環境にもプラスだったと思うんです。ただプラスチックは燃焼する際に二酸化炭素が発生し温暖化につながったり、海に流れ込むことで海洋汚染を引き起こしたりすることが問題で。
プラスチックを分別したら資源になります。わたしの家にはゴミ箱が6つあって、「ゴミの捨て方」の紙を見て楽しみながら分別しています。「どうやって捨てたらいいのかな」って考えていると、楽しくなるんです。
意識していることは外の「一括のゴミ箱に捨てない」こと。分別ができないゴミ箱しかない場合、家に持ち帰って、分別して捨てています。
もちろん、プラスチックを減らす工夫をすることは大前提で。自分の手もとにプラスチックが届いたら、次の場所に届けるという意識でいたいです。
コメント: 大田 由香梨さん
容器包装プラスチックやペットボトルを分別してゴミ集積所へ出したり、プラスチックの分別を指定していない自治体では特定のプラスチックを地域の回収場所に持って行けたりと、さまざまな形でリサイクルされる。
※ゴミの出し方は自治体によって異なる
参考:新宿区「容器包装プラスチックの出し方」http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file09_01_00005.html(参照 2021-07-06)
千葉市「製品プラスチックの拠点回収」https://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/haikibutsu/productsplastic.html(参照 2021-07-06)
自分の手もとに届いたプラスチックが、美しいドレスに変わるかも
#CFCL

出典: 大田 由香梨さん
資源として手放したプラスチックは、美しいドレスに変身することも。大田さんが着用しているのは、再生ポリエステル繊維を使った「CFCL」のドレス。
わたしがお手伝いしているブランドさんで、再生プラスチックで洋服を作っているところがあります。例えば「CFCL」。500mlのペットボトル18本が再生ポリエステル繊維になり、美しい1着のドレスになる様子などをSNSで発信しています。
資源として手放すと、もう一度息を吹き返して、素敵なドレスになるんです。
コメント: 大田 由香梨さん
#M_

出典: M_
MOUSSYからデビューしたM_(エム アンダーバー)も、ペットボトルなどリサイクル原料から再生されたポリエステル繊維の生地を採用。
「M_」は再生ポリエステル繊維、オーガニックコットンなど「素材の見直し」から洋服作りをしています。
コメント: 大田 由香梨さん
何かを悪にして何かを正とすること自体に、まずは疑問を持ってみる。多角的な視点を持って想像することの大切さを教えてくれた大田さん。そこから、自分にできることを考えてみて。
取材協力 Stylist/大田由香梨
最近"プラスチック=悪"ってなりすぎてしまっているような気がしています。「プラスチックのビニール袋がNGだから紙袋にします」といっても「でも紙って、木材だよね」という話で。何かを悪にして、何かを正とすること自体が、わたしはちょっと違うかなって思うんです。
代替品を議論するよりも「まずゴミを極力減らす」ことがクール。例えばプラスチックストローの代わりにステンレスにするか、紙にするかが世の中で話題になっていたときに、「ストロー無しの飲み方」を提案した企業が一番スマートだと思いました。
コメント: 大田 由香梨さん