よくあるけれど、些細なことすぎて、どうすればいいか誰も教えてくれないこと。「スマートな話の終わらせ方」。人間関係のプロはどうやって、ずるずる引き伸びそうな話に対応しているんだろう。銀座の老舗高級クラブ「ピロポ」不動のNo.1ホステス・南々子さんに聞く、ひとを魅了する所作と、会話術。
高級ホステスたちに染み付いている美しい姿勢は「斜め」

出典: 南々子さん提供
容姿の良し悪し以前に。女性の全身から漂う気品、その要因のひとつは、姿勢にある。南々子さんのしなやかなでうっとりする仕草の根源は、ここにありそう。
特に南々子さんが強調するのは「斜め」の美しさ。
高級ホステスたちはみな、お客様に対して「並行」ではなく、斜めに座るそう。
お客様から見て、真正面に座る場合。
お客様の話を聞こうと身を寄せようとすると、前屈みになり、背中が丸く曲がってしまいます。それでは不格好ですよね?
でもお客様から見て斜めに座れば。同じ状況のとき、お客様に寄せるのは体の側面。背中が丸くないうえに、女性らしいS字のボディラインを描くことができます
コメント: 南々子さん
前から窮屈そうに身を乗り出すより、親しみのある距離感で接することができるのも、「斜め」の為せるワザ。
売れっ子ホステスは“去り際”がお上手
たとえば次の予定の時間が迫っていて会話を切り上げたいとき。あなたはどうやって終わらせてる? 話し続けている相手に悪いからと何も言えず、ずるずると長引いてしまう…なんてこともしばしば。
会話のプロである南々子さんは、「余韻を残す」と言う。

出典: 編集部撮影
こちらから突然会話をスパッと切るのは失礼ですよね。
わたしは相手の話を、「うんうん」と聞き、顔を向けたまま、体は次の進みたい方向へ。そうやって余韻を残しつつ、「またあとで続きを聞かせてくださいね。ちょっと失礼します」と言い、歩みだします
コメント: 南々子さん
「余韻を残し、心を置いていく」ーー南々子さんはそう表現する。
座り方も、去り方も、ほんの些細なこと。だからこそそこまで気を配る女性は際立つし、「美しいひとだったな」という印象に残るはず。ほら、「細部には神が宿る」というし、ね。
取材協力 銀座クラブ ピロポ 南々子
座る際の姿勢の良し悪しで、ひとに与える印象はがらりと変わります。わたしたちが意識しているのは、4つのポイント。
・そっと座る。「どかっ!」なんて言語道断
・背もたれは絶対に使わない
・対面相手から見て、正面にまっすぐではなく、斜めに見えるように座る
・脚は斜めに揃える
コメント: 南々子さん