たおやかで、凛としてーー。女に生まれたからには誰もが憧れる、外見磨きだけでは得難い"美しさ”を備えた女性像。”女のたしなみ”を知り尽くした銀座の老舗高級クラブ「ピロポ」不動のNo.1ホステス・南々子さんに聞く、ひとの心を奪う美しき所作と、会話術。
ホステスは、すべての動きを「丁寧」にしている

出典: 南々子さん提供
たとえば自分の通り道に、ひとが立っているとする。そんなとき南々子さんは、けっして「邪魔くさいな」なんて顔に出したりはしないし、「丁寧に、避ける」。
スキンシップにどきりとさせつつ、「ごめんなさい。ぶつかりそうだったので」と一言添えたら、悪い気はしないどころか惚れてしまいそう。
ポイントは、両手で触ること。
わたしたちの所作は、なんでも両手が基本。名刺を渡すときも、グラスを持つときも、乾杯の際には片手でグラスを持ち、もう片手は添えるようにしています。”両手”は、誰でも丁寧さを演出できる仕草なんです
コメント: 南々子さん
あいづちは「女の器」を表す
南々子さんと喋っていると、ふと気付かされるのが、あいづちの優雅さ。ゆっくりと、深く、相手の言葉ひとつひとつを丁寧に拾うように頷く。
ゆっくりとした深いあいづちは、女性らしく見えると思います。
それにあいづちは、その場の会話に漏れてしまっているひとへの気遣いでもあるんです
コメント: 南々子さん

出典: 編集部撮影
たとえば、Aさんが話していたところ、Bさんが言葉をかぶせ、ほかのみんながBさんの話に持っていかれてしまったとき。会社などではよくある光景だけど、南々子さんは、会話を取られてしまったAさんに向け、あいづちを打つ。
「わたしはあなたの話を聞いているよ。受け止めているよ。だから、大丈夫よ」
の含みを、あいづちから漂わせる。
みんなの会話から漏れてしまったひとに対して、「うんうん」とか「ね?」とか、あいづちを打つだけで、相手は「わたしの話をちゃんと聞いてくれているひとがいるんだ」と安心するはず。
その際の表情もポイント。口元だけではなく目元に柔らかい笑みを宿すと、視線を1点に定めているように見えないのです。そうやって全体的に顔を向けながらあいづちを打つと、その場にいる誰しもにアプローチすることができます
コメント: 南々子さん
リモートワーク中、オンライン会議などでも応用できそうな、あいづちテクニック。ゆっくりと、深く頷くことを意識しながら、今日からトライしてみては。
人間関係のプロが実践から得た「丁寧」な仕草。相手に居心地の良さを感じさせたい大人ならば、ぜひ身につけたい。
そんな南々子さんの日々の所作をはじめ、恋愛を成就する方法や恋人との上手な喧嘩の仕方、そして苦手な上司を攻略する方法などの人間関係テクニックなど、大人女性のたしなみとして知りたいトピックを網羅した初の著書、
「銀座一流クラブNO.1ホステスに学ぶ 選ばれ続ける女だけが知っていること」(PHP研究所)
が1月23日に発売。
綺麗事ではない世の渡り方、南々子さんらしいくすりと笑える表現で綴られ、すっと胸に染み入るはず。
取材協力 銀座クラブ ピロポ 南々子
これは職業柄の特殊な動きかもしれませんが、たとえば狭い通路を、お客様を避けて通らなければならないとき、
「ごめんなさい、ちょっと通りますね」と言いながら、お客様の身体を両手で触ります。
コメント: 南々子さん