最近流行りのあの歌が示すように、ひとの記憶をつかさどる、香り。恋愛のプロ、そして人間関係のプロである銀座No.1ホステスは、どんな香りをまとい、指名客を酔わせているのだろう。
銀座の老舗高級クラブ「ピロポ」不動のNo.1ホステス・南々子さんが、大人女性に知ってほしい、とっておきの香りを教える。
銀座No.1ホステスが15年間まとう香水とは?
華やかなヘアメイクにきらびやかなドレス、そして豪奢なアクセサリー。夜に舞う美しき蝶が武器にするのは、そんな見映えだけじゃない。

出典: 編集部撮影
だから、お客様に印象を残すことが業務のひとつである南々子さんが、香りにこだわるのは当然のこと。
そんな南々子さんが15年間使い続ける香水がある。
初めて手にしたのは15年前、新人ホステス時代。“ひと嗅ぎ惚れ”しました。強さがありながら甘い、独特のクセになる香り。ほかに使っているひとがいないので、よく「これ、どこの香水?」と聞かれます。
コメント: 南々子さん

出典: ライター撮影
クリスチャンディオール「ヒプノティックプワゾン」
プワゾン、つまりは“毒”。クセになる甘さがありながら上品で、どこか意味深なバニラの香りは、確実に、狙った獲物を仕留めそう。
脈打つ箇所と、太ももにも1プッシュ。その狙いとは?
つけるのは、首と手首、脈が打つ箇所。そしてもうひとつ、ホステスならではのつけ方がある。

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太ももにもつけています。わたしたちホステスはロングドレスを着ることが多いのですが、太ももにつけると、座った瞬間に裾から煽られた香りが、ふわっと立ち上がるんです。
コメント: 南々子さん
嗅覚を刺激する、夜の蝶のはためき。さらに、香りは痕跡にも。
名刺やお客様に贈る手紙にも、香りづけすることがあります。空気にシュッと吹いて、さっと仰ぐ程度につけるんです。封筒を開けた瞬間、ふわりとほのかに香るんですよ。
コメント: 南々子さん

出典: 編集部撮影
一方で、むやみに香りを感じさせないのが、高級クラブホステスのたしなみ。
プワゾンは香りが強いので、“夜”向き。他人に不快感を与えないよう、公共機関を利用するときはつけません。そして、同伴時もNG。食事中に香水をつけないのはマナーのひとつ。味の邪魔をしてしまいますからね。わたしはボディクリームすらつけません。
コメント: 南々子さん
店外でチョイスする爽やかな香りとは?
“夜”がオンだとしたら、オフの“昼”は、ほかの香水をつけるという南々子さん。そのチョイスは、さきほどのプワゾンから一転して爽やか。

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ジョー マローン ロンドン「ミルラ&トンカ」
爽やかな石鹸の香りのなかに、大人を感じさせるスパイシーの片鱗。意中の彼が、一目置く顔が眼に浮かぶ。
これなら爽やかさもあるから、太陽との相性も合う。おうちデートでつけてもいいかもしれませんね。
コメント: 南々子さん
おねだりのプロ直伝。クリスマスプレゼントの、かわいいオーダーテク
さて、もうすぐクリスマス。銀座ホステスの腕の見せどころ、“プレゼントのおねだりテク”を、聞いておきたい。
おねだり前の下準備

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まずは自分は何がほしいのか、把握しておきましょう。多くの女性は、突然「何が欲しいの?」と問われても、言葉に詰まってしまうもの。そうならないために、デパートなどへ下見に行っておくのです。
コメント: 南々子さん
また、ほしいものがあったとしても、自分に似合うかどうかは未知。実際に手にとってみる時間も、必要なのだそう。さらにこのとき、店員さんのアイテム説明をしっかり聞いておくこと。それがのちに、生きてくるから。
下見を終えたら、本格おねだりの2、3回前のデートあたりから、彼にほしいものの画像などを見せておきます。そうやって刷り込むの。さらに、ほしい理由や、店員さんから聞いた説明を彼にする。男性は理由を欲しがりますからね。
コメント: 南々子さん
アクセサリーのおねだりセリフ

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南々子さんは、「もらうのはアクセが一番簡単」だそうだけど、どんなおねだりセリフが有効?
「あなたをいつも身近に感じたいから。あなたの一部として身に付けたいから。この指輪がほしいの」
「アクセって、あなたに愛されている、自信の表れだから」
財布のおねだりセリフ
高価なお財布の場合、「いかにこれが必要か」という理由づけと、かわいげも忘れちゃダメ。
「ずっと大切に使いたいから。だって、大事な大事な、お金のおうちだもんっ」
気をつけたい、NGおねだり
意外に思うかもしれないけれど、銀座ホステスが御法度にしていることがある。それは、無理をして買わせること。

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わたしたちホステスは、お金のないひとから無理にお金を引き出すようなことはしません。あくまで、男性側の予算を察した上での、おねだりをします。
コメント: 南々子さん
男性が発する“予算オーバーサイン”を、見逃してはいけない。
渋っているのは、おねだりしたときの反応ですぐにわかるもの。「俺だって赤字なんだよ」と言われると、買う気がないのだなとわかります。
逆に、渋っているように見せかけて「いくらくらいなの?」「どこで買えるの?」と質問をしてきたら、脈あり。そのまま押してみて。
コメント: 南々子さん
高額でこちらが躊躇する場合は、「誕生日とクリスマスを一緒にして、ひとつのプレゼントでいい」と交渉するのも手。
さらに、店員さんに協力してもらうという高等テクニックもある。
店員さんの前で、「うそー! これプレゼントしてくれるの!?」なんて言い、彼のプライドを刺激するのです。
事前に店員さんに相談しておくのもいいですね。「あとで彼を連れてくるから、協力してください」とこそっと協力要請。すると、売りたい店員さんは、「彼女へのプレゼントですか? お似合いですね! 高い? じゃあもう少しお値段下げたアイテムもございますよ」なんてグイグイいってくれるはずです。
コメント: 南々子さん
銀座No.1ホステスが、いままででいちばん嬉しかったプレゼントとは
数々の憧れ高級アイテムをプレゼントされてきた南々子さんだけど、もっとも心に残っているプレゼントは、意外なものだった。

出典: 編集部撮影
クリスマスツリーはうれしかったですね。なんとなくわたしが「ほしいなあ」と言っていたのを拾い上げてくれて、「じゃあ、いまから買いに行こう」って。とても大きなツリーでした。その場で一緒にオーナメントも選んだりして、楽しかったなあ。
コメント: 南々子さん
おねだり上手は、幸せ上手。プロのテクニックをヒントに、最高のクリスマスを過ごしましょ。
実はこだわっているのは、香水なんです。嗅覚は視覚や味覚と匹敵する、五感のひとつ。とても大切です。「この匂い、嗅いだことがある」なんて出来事で、そのひととの記憶がぶわっと蘇るでしょう? 香りは、記憶にとても作用しやすいんですよね。
コメント: 南々子さん