「好きな服」を永く着たいけれど、落ちない汚れが気になってくることも…。
ライフスタイリスト・大田由香梨さんが教えてくれたのは、「染める」という方法。実は日本ではずっと昔からおこなわれてきた、染めの世界を覗き見。大田さんが実践した「コーヒー染め」も必見。
染め直すことで新品に。先人の知恵
エコの観点からも「染める」ことはいま注目したい先人の知恵。
大田さんおすすめの染め直し「京都の黒染め」
染める方法は藍染め、黒染めなどさまざま。黒染専門店「京の黒染屋」は伝統ある京都の黒染めを依頼でき、世界に誇る"日本のブラック"で洋服を生まれ変わらせてくれる。
京都の黒染めはとても有名。京都は"日本のブラック"を表現できる染屋さんが多く、ファッション業界でも京都の黒染めは価値が高いものと知られています。
コメント: 大田 由香梨さん
「コーヒー染め」にも注目

出典: 大田 由香梨さん
毎日飲んでいるコーヒーの残りカスを利用して染められるエコな染め方が「コーヒー染め」。手に入りやすい材料で、おうちで簡単に染められる。
いつもたくさんコーヒーを飲んでいるので、そのカスが「もったいないな」と思ったのがきっかけで、"コーヒー染め"を知ったのです。
今回は1年ほど着続けて汚れてしまったLIFESTYLISTのCalm Dressを染めてみました。
コメント: 大田 由香梨さん
大田さんが教えてくれたコーヒー染めの方法がこちら。
1.コーヒーのカスを準備する

出典: 大田 由香梨さん
コーヒーのカスを準備し、綿の布にくるむ。
2.煮出す

出典: 大田 由香梨さん
鍋にお湯をはり、布にくるんだコーヒーを入れて染色用に煮出す。
3.漬け込む

出典: 大田 由香梨さん
ビニール袋を張った大きな鍋やバケツに染めたい洋服を入れ、煮出したコーヒーを注ぐ。全体にしっかり漬け込んだらビニール袋をむすび、一晩置く。
4.ミョウバンを入れる

出典: 大田 由香梨さん
翌朝漬け込んだものに、色止めと発色のためミョウバンを大さじ2杯ほど入れ、1時間〜2時間ほどさらに漬け込む。
5.日陰で乾かし、完成

出典: 大田 由香梨さん
漬け込んだ洋服を流水ですすぎ、日陰で乾かして完成。

出典: 大田 由香梨さん
1回染めで、優しいベージュに。刺繍糸もコットンであれば、刺繍までしっかり染まる。
シンプルにコーヒーだけで染めると、優しいベージュになりました。もっと濃度を高めたり、2回染めることで、濃く染めることもできると思います。ぜひみなさまもお試しください♡
コメント: 大田 由香梨さん
上手に染めるためには。大田さんからアドバイス!
自分で染めるときに、大田さんに教えてもらった上手に染めるポイントがこちら。
1.天然繊維の服や雑貨を選ぶ
黒染めや藍染めをするときに一番大事なのは「天然繊維じゃないとできない」こと。コットンや麻には色が入りますが、化学繊維には色が入らないんです。
例えばコットンのシャツでも縫っている糸が化学繊維だと、その糸の部分だけ色が入らず、ステッチが残るイメージ。それが仕上がりの味になることもあります。
コメント: 大田 由香梨さん
2.繰り返し染める
LIFESTYLISTのコットンバッグを藍染めしたときは、10回ほど繰り返して染めました。藍染めは漬け込むのではなく空気に触れることで青くなり、手間暇かけて時間もかかりましたが、全く違うものに生まれ変わったので楽しかったですね。
コメント: 大田 由香梨さん
3.絞ったあとはしっかり広げる
何回も繰り返し染めてOKですが、絞ったままにすると、その部分が染まらないことも。まんべんなく広げて、全体に色が入るようにするのがポイントです。
コメント: 大田 由香梨さん
汚れてしまった洋服だって、染めることでまるで新品に。天然繊維であれば、バッグやポーチもOK。大切なアイテムを、先人の知恵で生まれ変わらせてみて。
取材協力 Stylist/大田由香梨
昔のひとたちは新しいものを買うのではなく、"染め直す"ことで新品になるという概念があったんです。染め直すときれいな色になって、長く使うと色褪せて、そしてまた染め直すときれいになって。
そんな文化に習って、汚れてしまったコットンや麻の洋服を染め直して新鮮に着るのもいいな、と思います。
コメント: 大田 由香梨さん