吉原遊女のテクニック、恋文や夜這い文化など…日本の歴史にはエロスが溢れている。
故きを温ねて新しきを知る—
日本における知られざる恋やSEXの歴史・文化を紐解き、そこから得られる学びや新しい知識を見つけ出していく新連載“いにしえ女の夜枕ばなし”。
第2回目は「吉原遊女が上客だけにしていた駆け引き」から紐解く、恋愛テクニックをカストリ書房店主の渡辺豪氏の解説のもとにご紹介。
さあby.S淑女のみなさまがた、エロスを覚醒しておくんなんし。
遊女が上客だけにしていたベッドでの駆け引き
“太夫(たゆう)”とは、富豪だけが相手にできる最高級の遊女のこと。中級以下の遊女とは一線を画すベッドテクニックを有していたと言われているの。太夫の性器は大切な商売道具だからきちんと守りつつ、お客に満足させることが必須。太夫は前戯にたっぷりと時間をかけて、意外にも挿入は短時間だったとか。それでもお客は不満を募らせるどころか、短時間で射精に至らしめる太夫のテクニックに満足していたみたい。
自身の性器とテクニックが売りの太夫は、性具(アダルトグッズ)は使わなかったんだとか。太夫の性器の価値を落としてしまうし、なによりも大切な商売道具を傷つけてしまう恐れも。ちなみにお客から太夫へ前戯として手出しさせることもなかったみたいよ。
新規&馴染みともにリピート対策は〇〇〇
恋愛テクといえば、「新しい彼を射止めるための術を知りたい」という声がちらほら。彼や旦那はすでにつなぎとめている存在だけど、新しい=新規の男性はどうすべき? 遊女に学ぶリピート策。すでに何度もリピートしている馴染みのお客はともかく、新規客向けのリピート対策とは。
遊女の手練手管「指切り」「起請文」などの詳しい内容は、下記の記事を見てみて。
遊女に学ぶ恋愛テク「指切り」は、2人をさらに盛り上げる愛のアピール方法?【#1】
前戯でたっぷり彼を愛する…そんな夜を作ってみては
遊女が上客だけにしていたベッドでの駆け引き参考に、挿入 よりも前戯でたっぷり愛する…♡ そんな夜があってもいいかも。
恋愛は新旧を問わず、相手をたっぷり愛でることが最高のテクニックなのかも。新しい彼と出会った女性だけでなく、馴染みの彼や旦那さまがいる女性も、時間をかけて相手に前戯してみては。いままでになく激しく燃えたり、惚れ直したり…♡ 楽しい夜を過ごせる予感。
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客の心をつなぎ止めるのは、もちろんベッドテクニックでもあるのですが、根底にあるのは「疑似恋愛」です。
吉原遊廓は「遊び」の場所で、本来は恋愛が芽生える場所では無く、ウソをウソとして愉しむことが「粋(いき)」の発想なのです。しかし、何百の男を相手にし、本来ウソの世界で生きる遊女から「貴男のことが本当に好きになった」と伝えられることが男心を摑んだのでしょう。
これはなにも江戸時代に限ったことでは無く、ホステスやホスト遊びに入れあげてしまう現代人も少なくないことを考えれば、時代を超えて水商売共通のテクニックなのでしょう。
コメント: カストリ書房 店主 渡辺豪氏
今回は“遊女の駆け引き”を紹介してみたけれど、いかがだったかしら?
by.Sの新連載『いにしえ女の夜枕ばなし』では、今後もいにしえ日本の知られざる恋やSEX文化についてさまざまな切り口で取り上げていく予定。
どうぞお楽しみに。
参考文献/『図説 吉原事典 』永井義男(朝日文庫)、『図解 吉原遊廓 花魁の秘密』
取材協力/カストリ書房 店主 渡辺豪
illustration/Kaoll
カストリ書房
住所:東京都台東区千束4-39-3
駐車場:なし(近在にコインP有)
営業時間:11〜18時
定休日:月(祝日は営業)(臨時休業あり。HPの営業日カレンダーでご確認下さい)
手練手管で挙げたテクニック「指切り」「起請文」それ自体が、リピート対策のものです。お尋ねの新規客対策ですが、新規客特有の対策はありません。新規客であれ馴染み客であれ、リピート対策はいずれにしても必要なものだからです
コメント: カストリ書房 店主 渡辺豪氏