
出典: by.S編集部
この連載では、パワフルで型破りなお姐さまたちの金言をご拝聴。キャリア・結婚・出産…まわりと比べては、ときどきダークサイドに陥るアラサー世代。そんな自分が小さく思えてきちゃうかも。
お話を伺ったのは、20年間お笑い道を突きつめる芸人・友近さん。今の時代、自分らしい仕事で輝く、おもしろいひとこそ美しい。そう思わない?
“変幻自在のキャラ姉さん”のルーツは、実姉

出典: 編集部撮影
テレビ画面に友近さんが現れると、今日はなにをしてくれるんだろうと、胸踊る。ひとを惹きつける芸風の原点は、物心ついた頃からあった。
一方で学生時代、教室での友近さんは、「あまり喋らない子どもだった」という。
ひとの輪の中心に入るというより、常に俯瞰して見ていました。『Aさんは、Bさんと喋っているときは興味がなさそうだなあ』とか
コメント: 友近さん
そうやって見ていると、自分と気の合うひとを探しやすかったですね。いまもそう。芸人仲間のネタをひとつ見るだけで、『このひと着眼点が同じだから、合うだろうな』とわかりますね
コメント: 友近さん
「流れを止めない会話」の秘訣

出典: 編集部撮影
その筆頭が、『チルテレ』(BS日テレ、YouTube)のコーナー「友近&ゆりやんの時間」で共演している芸人・ゆりやんレトリィバァ。累計再生回数約3千万回という人気っぷりで、4月20日より同コーナーのみ日本テレビでの放送がスタートしたほど。視聴者に愛される理由のひとつが、ふたりの仲の良さ。
ゆりやんは29歳で、わたしとは年齢が離れていますが、年の差を感じさせないんですよ。
ゆりやんは、昭和のカルチャーが好きだったり感性が本当に合うし、常にアンテナが立っていて、だからこそ繊細で、想像力がありすぎるゆえ“気にしい”で、自分と似ている。
なにより、ひとの話を聞き逃さない能力はすごいなと思います
コメント: 友近さん
また、ノンストップな即興会話も魅力。わたしたちにもこんな会話術があれば…!
会話の流れを止めないためには、相手に気を遣ったり困らせないようにしたり、そういった優しさを持つことが基本にあります
コメント: 友近さん
お笑いの場合はそれプラス、笑いにつながるようにとにかく頭をフル回転させること。突然コメントを求められるシーンはよくありますが、そのときの頭の中は、『なにも考えてなかったけど、とにかくなにか喋らなあかん』と、喋りながらいろんな引き出しを引っ張り出してオチに持っていく…という感じですね
コメント: 友近さん
でも、めまぐるしい脳の回転は、芸人だけの特権…?
いえ、芸人だって得手不得手がありますから、アドリブが苦手なひとももちろんいます。だから逆に、日常でも応用できるはずです。誰かがアドリブでミニコントを始めたら、1歩、勇気を出して、乗っかってみる。勇気を出して、一言だけ、発してみる。遊び心感覚でね。頭の体操になるし、思いがけず感性の合うひとが見つかるかもしれませんよね
コメント: 友近さん
腕の立つ後輩たちがついてくる理由

出典: 編集部撮影
ライブツアー「友近ワイド劇場」をはじめとする友近さんの舞台には、ゆりやんさんほか、ハリセンボン近藤春菜さんや渡辺直美さん、シソンヌのじろうさんら、一筋縄じゃいかない後輩たちが参加する。
わたし自身、純粋にお笑いが好きで、芸人になってから20年間、四六時中お笑いのことをまっすぐに考えてきた。そんな姿勢を見て、ついてきてくれるんだと思います
コメント: 友近さん
そんな後輩たちを「指導したことはない」と友近さんは話す。
イメージ的に先輩後輩というのは、先輩が『こうしようか』と言えば、後輩は『はい! わかりました!』と言わざるを得ない関係性を想像しますよね。後輩がちょっと違うと思っても。
しかし、ちょっと違うなと思いながらやることに、面白さは生まれません。なのでわたしは、先輩後輩に限らず、一緒にやるひとたちにやりたいことをまず聞くことから始めます
コメント: 友近さん
そもそも、友近さんが後輩を尊敬しているからこそ、なせる業でもある。
先輩後輩関係なく、お互いに尊敬しあえる関係なのは大きいですね。だからこそ後輩からの提案は、思考の方向性がずれていないので、『それいいね!』となります
コメント: 友近さん
感性の合うひとにだけ伝わればいい

出典: 編集部撮影
芸人になる前は、地元愛媛県のテレビ局でレポーターとして人気を博していた友近さん。いつしか、「レポーター」という枠のなかで自分の笑いを表現することに、ジレンマが生じるようになった。
『ひょうきんな女の子が、ただはしゃいでる』と周りの目に映るのがいやだったんですよね。『このまま自分らしくない自分で世間に覚えられるなら、メディアに出ないほうがマシや』と思い、レポーター業を辞めて大阪NSCに入ったんです
コメント: 友近さん
26歳。ためらいはなかった。
芸人のトップをとりたい、大勢のお客さんに見てもらいたい…といった動機ではなく、『自分が面白いと思っている芸人さんに、自分の芸を見てもらいたい。わたしも彼らの仲間に入りたい』。この思いひとつでしたね
コメント: 友近さん
1年も経たぬうちに、尊敬している芸人=バッファロー吾郎さんの目に留まり、瞬く間に開花した。
バッファローさんのラジオ番組にレポーターとして出演して、3分間ネタ見せできるコーナーで、ドラマ「ミナミの帝王」の竹井みどりさんのワンシーンの完コピをやったです。そうしたら、『竹内力さんじゃなくて、その横の竹井みどりさんをやる人は初めて見た! ほかにはなにができんの!?』と、おふたりの目の色が変わったんです!!
コメント: 友近さん
目指していた舞台に立つべくして立ったのは、友近さんの「お笑いのことで頭がいっぱい」というシンプルな想いゆえ。そんな友近さんが、「天才。別格」と一目置くのは、ロバートの秋山竜次さんだそう。
テレビに出ることにまったくこだわっていなくて、純粋に自分が面白いと思う舞台や地方局のテレビ番組に重きを置いていて。そのスタイルで全視聴者にあの存在感と面白さが伝わっているのは、ただただ、すごいです。アイデアの量が半端じゃないし、それを形にする表現力もあり、対応がとにかく早い
コメント: 友近さん
たとえば、毎年行っている水谷千重子のライブ『キーポンシャイニング歌謡祭』、ゲストミュージシャンが「すっごいドクロのネックレスをつけていた」のを、水谷千重子がイジったときのこと。
次の出番の、秋山さん扮する演歌歌手の倉たけしが、同じようなドクロのネックレスをつけて出てきたんですよ。その辺にあった小道具で手作りして。ちゃんと舞台を見ているし、水谷千重子がどこで突っ込むのかも察しているし、とにかく対応力がすごい。笑いになることなら、なんでも惜しまずやる方なんです
コメント: 友近さん
“やりたい”“好き”を突きつめれば、ひとは必ずついてくる。友近さんと、彼女のまわりに集まる才能を見ると、そう思えてならない。いま、ジレンマに苛まされているアラサーたちへ、開花のチャンスを、逃すべからず。
photo/玉越信裕
昔から実姉と、よくミニコントをやっていたんです。姉はボキャブラリーやアドリブ能力に長けていて、アイディアもあるから尽きませんでしたね
コメント: 友近さん