年齢を重ねるにつれ、気になりはじめるのが「毛穴」。とくに、角栓の詰まりは外からも見えるぶん、気になるひとも多いはず。自分ではちゃんとしているつもりでも、ケア方法が間違っていることで、むしろ悪化させているひとも多いみたい…。
そこで今回は、渋谷スキンクリニック院長・吉田貴子先生の著書『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』から、毛穴ケアの正しい方法を伝授。さっそく今日から取り入れてみて。
気になる角栓(コメド)、押し出すのはNG?
毛穴に詰まったコメドを押し出すのは絶対NGというのが、美容業界における長年の常識だった。しかし、吉田先生はむしろ、「コメドは押し出すべき」という、従来とは逆の考えかた。
詰まった汚れをとり去って、初めて毛穴の開きや黒ずみをどうにか改善できるのです。汚れたまま、毛穴を小さくしたり、黒色から肌色に戻したりするのは、不可能といっても過言ではありません。
この「圧出」は、保険適用にもなります。医療機関で行うと、毛穴の詰まりが確実にとり除かれるので、ニキビや毛穴の汚れに悩んでいる方は、一度、受けてみることをおすすめします。ただし、皮膚科医によっては「圧出」に消極的な医師もいますので、事前に問い合せてみるのがいいでしょう。そして、特筆すべきは、この「圧出」、自分で行うこともできるのです!出典: 『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』(秀和システム)
コメドの圧出がOK、しかも自分でやってもいいというのに驚き! しかし、どのようにコメドを押し出せば、美肌につながるのだろう? 吉田先生はこうアドバイスする。
洗顔後、早めに10倍拡大鏡で毛穴を観察し、コメドをみつける。消毒した(コメド)プッシャーやヘアピンを使い、コメドを押し出す。無理に押さないよう注意。
出典: 『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』(秀和システム)
ヘアピンやプッシャーのカップのヘリ(キワ)を、肌に対して25~45度ぐらいの角度で(コメドの詰まった)毛穴のすぐ上にあてます。毛穴の反対側を、利き手の逆の指でおさえます。肌の上から角栓を根本から押し出すイメージをもち、強く押します。頑固な硬い毛穴には時間をかけて、角度を変えながら押してみてもいいでしょう。
押すときは、1カ所をギュッと押すのではなく、下のほうへ、少し押し滑らすようにしてもいいでしょう。出典: 『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』(秀和システム)
「え?ヘアピンでもいいの?」と思ったかたも多いのでは? もちろん専用のプッシャーを使うのが望ましいけれど、消毒がきちんとできていればヘアピンのヘリや爪を使うのでも問題ないそう。
ただし、ヘアピンを使う場合ヘリが鋭角なものは避け、丸みがあるものを選んで。また、爪を利用してコメドを押し出す場合には、手が清潔であり、先端が鋭利でないことが条件となるので要注意。
コメドを押し出すことで、毛穴が余計に開いちゃう?
「コメドの押し出しOK!」といわれても、ほとんどのひとが「コメドを押し出すと、毛穴が余計に開いてしまうのでは?」と気になってしまうことだろう。その疑問に、吉田先生はこう回答する。
これも勘違いしている方がとても多いのですが、コメドを押し出した直後の毛穴は、ぽっかり穴が開いてしまったように見えるだけで、コメドが入っていたときの毛穴の大きさと同じなのです。より大きくなるわけではありません。
出典: 『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』(秀和システム)
このように断言されると、「私って、こんなに毛穴が開いているのか…」と思ってしまうひともいるかも。しかし、だからといって毛穴ケアをあきらめてしまっては、元も子もない!
10代からこまめに毛穴ケアしてきた人以外は、加齢とともに皮脂がたまり、毛穴は徐々に開いてきているのです。現在の、自分の毛穴の大きさを直視することも、毛穴のケアを始めるには大切なことです。
ただし、コメドを押し出して保湿を根気よくつづければ、毛穴の開きが改善される可能性もありますので、あきらめずにケアをつづけてください。
また、今以上に毛穴を広げないためにも、コメドの押し出しは定期的に行ってほしいのです。コメドがたまればたまるほど、毛穴は大きく開いていくのですから……。出典: 『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』(秀和システム)
オイルクレンジングをしていればコメドはとれる?
「コメドがあっても、オイルクレンジングをすれば大丈夫」そう考えているひとは要注意。その思い込みが、コメドの悪化につながっている可能性が…。
開いた毛穴の中に詰まったコメドが見えると、コメドを押し出そうとクレンジングオイルでマッサージする方がいます。オイルでコメドが浮き出て、毛穴がきれいになると思いこんでいるようなのですが、逆に毛穴にオイルを入れ込んで、毛穴の詰まりを悪化させていることが多いのです!
オイルクレンジングをすると、毛穴だけでなくニキビももちろん、悪化します。とくに、10~20代は皮脂が過剰に出ていることが多いので、基本的にオイルクレンジングの使用はNGです。ただし、一部のクレンジングオイルでは、油分が直接肌に触れない処方の製品もあるので、すべてがNGとは言い切れません。クレンジングはよく処方を確認してから、購入してくださいね。出典: 『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』(秀和システム)
汚いからと、毛穴を「隠す」のはもう終わり。しっかりとケアをして「もとから美肌」を目指していくのが賢いオトナ。
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今回紹介したもの以外にも、意外と知られていない「間違った毛穴ケア」はたくさん。スキンケアなどの「毛穴ケア」についてもっと知りたいというひとは、ぜひ吉田先生の本『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』を参考にしてみて。
『毛穴スッキリ! 美肌メソッド』吉田貴子(秀和システム刊)