
出典: by.S編集部
我が道をゆく、女の生き姿をご覧あそばせ。この連載では、パワフルで型破りなお姐さまたちの金言をご拝聴。キャリア・結婚・出産…まわりと比べては、ときどきダークサイドに陥るアラサー世代。そんな自分が小さく思えてきちゃうかも?
お話を伺ったのは、銀座の老舗高級クラブ「ピロポ」不動のカリスマNo.1南々子さん。まるで“大奥”のように、正室、側室をめぐって、数々の人間ドラマが生まれる「高級クラブ」で、南々子さんが身につけた、女の処世術とは。
後輩育てのNGは、「否定すること」

出典: 編集部撮影
女の子あっての職場。気持ちを下げないことが大事。先輩の背中から学んだ南々子さんは、ご自身も実践中だという。
銀座クラブとは、非現実の世界で、竜宮城だと思っています。生活感、カジュアル感は、必要ない。
たとえば、ヘアがノーセットの後輩がいたら。「意識が低い」と否定するのではなくて、「あなたは、髪の毛をアップにしたほうが似合うし、セクシーになるよ」と、肯定的な言葉を使います。
体毛も。お客様が触れた時にジョリってなったら、がっかりするでしょ…。「せっかく綺麗だから脱毛もしたほうがいい」とか、生活と年齢が出る手についても、「あなた、手も綺麗にケアしたら完璧」などと伝えます。
コメント: 南々子さん
同僚からの悪意には、「ポジ変換」

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職場では、仕事のできる同僚と自分を比較して落ち込んだり、嫉妬したりするのはよくあること。“銀座の女”も、当然、日常茶飯事。
嫌がらせされたことなんて、たくさん。成績グラフの名前に画鋲を刺されまくったり、持ち物を隠されたり。
白いコートに“バカ”と口紅で落書きされました。ホラーですよ。バーキンにはボールペンで書かれたり…落ちないから!(笑)
喧嘩になったことも。元々No.1だった子が、「自分より華があって悔しかった。羨ましかった」と。
コメント: 南々子さん
真に受けて落ち込まないようにしています。嫉妬って、“気になる”と同義語ですよね。だから、「彼女はわたしのことが気になっているんだな」と、ポジティブに変換するようにしています。
コメント: 南々子さん
同僚に嫉妬してしまうときは、「尊敬さがし」

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逆もまた然り。売れている同僚に嫉妬しそうになったときは。
“すごいところ”を探します。よく観察していると…
「本人の趣味ではないけれど、指名のお客様の好みそうなドレスを着ている」
「飲食店を経営しているお客様のお店に、顔を出している」
「本を書いているお客様の著作を、ちゃんと読んでいる」
「独身のお客様には、朝ごはん用の手土産を渡している」
そんなふうに、彼女の努力が見えてくるんです。
コメント: 南々子さん
すると尊敬の念が湧き、嫉妬心は徐々に昇華される。
どんな人にも、尊敬できるポイントが必ずあるから。それを見つけて、その人を好きになってしまえばいいんですよ。
コメント: 南々子さん
同僚のチャームポイントは、「気づいたらすぐ口に出す」

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「いいことは、すぐに口に出しちゃう」と話す南々子さん。それって女性の人間関係のなかで、結構効果的なんだとか。
女性って自分のチャームポイントに案外気づいていないもの。
「そのリップ、可愛い! 似合うね!」など、思ったことをすぐ口に出すのはいいことですよ。
コメント: 南々子さん
外見を褒められて不快になるひとは少ない、と南々子さん。服や持ち物など、フックはいくらでもあるから、“思いつき”で褒めるのはおすすめ。
先輩には、「自己PRしてネタ提供」

出典: 編集部撮影
ホステスになって半年間は、お客様との会話も怖かったし、お姉さんたちの圧も感じたし、怯えながら水割りを作ることで精一杯。まったく、喋れませんでした。
コメント: 南々子さん
作り笑いでお酒を作るだけの時間は、淡々と過ぎていった。だがあるとき、気づいたのだ。「自分からアピールしなければ、会話には入れないのだ」と。
お姉さんたちも、会話のネタを常に探しているんです。そんなとき、すかさず自分のスペックをPRする。
「わたし、秋田出身なんです」→「じゃあ、秋田出身のお客様のテーブルについてね」
「わたし、アメリカで仕事をしていたので、英語が喋れるんです」→「じゃあ外国人接待に行けるわね」
「わたし、胸が大きいんです」→「じゃあ胸元の開いた服を着れば、万事OK!」
コメント: 南々子さん
まずは、認知されることから。長所を武器に、つながりを持つことが、信頼関係を築くきっかけになるのだ。
“人間関係のプロ”である南々子さんの経験をヒントすれば、生意気な後輩や無気力な後輩も可愛く見えてくるし、苦手な先輩にも、一歩踏み込むことができる…はず。
取材協力 銀座クラブ ピロポ 南々子
銀座クラブ ピロポ
住所:東京都中央区銀座6-6-11 第四ポールスタービル3F
電話:03-3571-9730
営業時間:19:30〜0:00
定休日:土曜日、日曜日、祝祭日
photo/玉越信裕
わたし、怒られたことがないんです。
ママや先輩たちは、100%わたしが悪い場面でも、「南々子ちゃんは悪くない。お客様が融通効かないだけだから。気にしないで」と言ってくれました。
でも、彼女たちはあとで、お客様にお詫びのお菓子を贈っているんですよ。それを言わないんです、わたしには。
コメント: 南々子さん