我が道をゆく、女の生き姿をご覧あそばせ。この連載では、パワフルで型破りなお姐さまたちの金言をご拝聴。キャリア・結婚・出産…まわりと比べては、ときどきダークサイドに陥るアラサー世代。そんな自分が小さく思えてきちゃうかも?

出典: by.S編集部
今回お話をうかがったのは、1970年創業、銀座の老舗高級クラブ「ピロポ」不動のNo.1、南々子さん。ラグジュアリーなドレスに身を包む、まばゆいほどの“銀座のオンナ”。誰もが魅了されるそのオーラは、意外な場所で培われていた。

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異国で学んだ「差別はわたしへのラブレター」

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現在は37歳。「こんなに長く、この業界にいるとは思わなかった」と話す南々子さんの原点は、大学時代まで遡る。
進学先はミシガン州デトロイトの大学。そこで南々子さんに待ち受けていたのは、辛辣な差別だった。

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ノートに「Go back to Japan!」と書かれたり。英語がわからないながら相手のノートに、わたしが唯一知っているFから始まる英語の悪口を書き返したこともありましたね。
コメント: 南々子さん
ホームからはるか彼方離れた土地での出来事。きっと、想像以上に壮絶だったに違いない。でも、南々子さんは明るくこう話す。
それはね、相手がわたしに興味があるからなんだろうな、と思いました。ラブレターみたいなものですよ。結局、悪口を言い合った子とはのちに友達になるし、まわりの人に助けられた思い出の方が多いですから。
コメント: 南々子さん
再び渡米するため、夜の世界へ
大学卒業後はアメリカの通訳会社にて、日本企業の駐在員をサポート。アメリカでの生活にすっかりなじむも2005年、就労ビザの関係で帰国を余儀なくされ、都内OLに転身。
ある日の通勤中、スカウトマンに声をかけられ、南々子さんは「また渡米するし、お金が溜まったらやめよう」という軽い気持ちで、夜の世界に足を踏み入れることとなる。

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しかし、そう簡単には辞められぬほど、南々子さんはホステスの仕事が肌に合っていた。六本木の高級クラブ「キンコンカ」には、28歳まで在籍。No.1であり続け、“六本木の有名嬢”と話題を呼び、写真集をだすほどに。
写真集「南々子」を見る
28歳で辞めると、「5年間で貯めたお金を5年間で使い切ったから(笑)」、33歳で銀座ピロポに復帰し、不動のNo.1となり現在に至る。
“需要のある女”がしている、5つの習慣とは?
# ハリー・ウィンストンやカルティエに通う

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ラグジュアリーさとポジティブさが同居する、南々子さんの佇まい。女性ならば、誰もが憧れるも、「住む世界のちがう、選ばれし女の資質。わたしがこうなれるわけない」と諦めてしまうけれど…。
わたしも、こう見えて見栄を張っているんです。一生懸命いいものを身につけたり、ね。そうすると不思議と、いいものの価値がわかるようになるんです。
コメント: 南々子さん
その秘訣のひとつは、あるショップに足繁く通うこと。
「ハリー・ウィンストン」や「カルティエ」のショップに通っています。しょっちゅう買わないですよ? ただ、見に行くだけ。
どうしてって? 幸せオーラが満載のパワースポットだから、です。一世一代のプロポーズのため婚約指輪を買いに来た男性や、結婚指輪を探すカップル、彼女のためにアクセサリーを吟味する男性、「いつかこれが欲しいなあ」とうっとりして見つめる女性…そういう、ハッピーで、ポジティブな気持ちが溢れている場所だから。ね? すごいパワースポットでしょう(笑)?
コメント: 南々子さん
特にクリスマス真っ只中のいま、1年間でもっともそのパワーがみなぎっていると思うと、足を向けずにはいられない。
それに、そうやっていつもブランドの新作をチェックしていると、まわりのひとが身につけている“いいもの”も自然とわかるようになります。それでお客様や同僚女性に、「それ、○○の新作ですね。素敵」と言うことができて、喜んでくれるんです。男女問わず、誰だって、身なりを褒められるのはうれしいことですしね。
コメント: 南々子さん
# ひとに対するお金は渋らない

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いついかなるときも、お客からドレスコードのある店に呼び出されるかわからない銀座のホステスは、基本的にダウンコート着用NG。でも、季節は冬。寒さに負けてダウンコートを着用する若いホステスは多いという。
そんなとき、先輩である南々子さんは「着ちゃだめでしょ」なんて“注意”はしない。「あなたはパリッとしたコートのほうが似合うよ」と“アドバイス”する。さらに。
似合いそうなきちんとしたコートを買ってあげます。わたしたちのお給料には、そういったことも含まれているので。するとその子が、上質なお客様を呼んでくれる。巡り巡って返ってくるんです。だからわたしは、「ひとに対してお金は渋らない」と決めています。
コメント: 南々子さん
それは、お客に対しても同様。お客が自著を出版すれば買って読むし、飲食店をオープンすれば食べにいく。気遣いには、惜しみなくお金を使うのだ。
# “心に活きる”本を読む
新聞に目を通し、政治や国際情勢など小難しげな知識を叩き込む…そんなイメージがある銀座ホステス。だけど、南々子さんの持論は意外にも、「必須ではないですね。そういったことに詳しいお客様に喋ってもらい、こちらが教えていただくスタンスが、お客様にとって快適だと思います」という。
わたしがよく読むのは、“日本で唯一の人間学を学ぶ月刊誌”を謳う『致知』(致知出版社)という雑誌です。
経済、スポーツ、学術、各分野で道を切り拓いてきた方たちの人生論が書かれていて、とにかく面白いんです。たとえば、「安酒は飲むな」とか、著名人によるインパクトある言葉が綴られていたりします。
コメント: 南々子さん
“質の高い会話”を求めてやって来るという銀座のお客。No.1は本から、知識ではなく、人間力を学んでいるようだ。
# ルーティーンをムラなくこなす

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六本木ホステス時代、南々子さんが毎日実践していたのは、「ルーティーンのように、同伴してから出勤すること」だった。
23歳から28歳まで同伴を繰り返しました、毎日。とにかく、目の前のことを休まずこなしました。するといつしか、同伴数・売り上げ・指名数すべてNo.1になり、三冠になることができたんです。
コメント: 南々子さん
夜の世界において“三冠”を制覇する逸材は中々いないという。仕事の基本を「休まず」「ムラなく」こなすことって、当たり前のようで案外難しいのかも。

出典: 編集部撮影
タフな片鱗を見せながらも、落ち着いた声色で、ころころと笑いながら「笑顔は幸せの象徴」と話す南々子さんの笑顔には、「もっとこのひとと、一緒にお話がしたい」と思わせる魅力を秘めている。それでこそ、需要のある女。
銀座のNo.1からもらったヒントを胸に、まずは、幸せオーラ満載のパワースポット、ハリー・ウィンストンへ行ってみる?
取材協力 銀座クラブ ピロポ 南々子
銀座クラブ ピロポ
住所:東京都中央区銀座6-6-11 第四ポールスタービル3F
電話:03-3571-9730
営業時間:19:30〜0:00
定休日:土曜日、日曜日、祝祭日
photo/玉越信裕
大学受験に失敗して、両親からは『日本の大学に行けないなら、アメリカの大学に進学しなさい』と言われて。まったく語学ができませんでしたが、『まあ行けば喋れるだろう』くらいの気持ちで(笑)。
コメント: 南々子さん