「色っぽいひとはフェロモンがむんむん…」そんなイメージを持っているひとは多い。じゃあ「フェロモン」って一体何!? 女性に備わる体臭? エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンのこと? そんなわからないことだらけの「フェロモン」について、産婦人科医の宋美玄先生に話を伺った。
-目次-
そもそも、フェロモンは人間にも存在するの?
フェロモンに匂いはある?
フェロモンと色気の関係
フェロモンに関するアイテムについて
生理がフェロモンや匂いでうつる説について
まとめ
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そもそも、フェロモンは人間にも存在するの?
動物や昆虫の体内で作られ、異性を惹きつけるために分泌されるものと言われている「フェロモン」。一方で「ホルモン」は、体内で内分泌され自分自身に作用するもの。このことから、フェロモンはホルモンとは違うと言えそう。じゃあ人間における「フェロモン」って何?
フェロモンに匂いはある?
巷では、「匂いをかぐ合コン」が開かれるほど相手選びにおいて匂いが重要なポイントになっているみたい。実際、匂いがきっかけで「このひと、いいな♡」と感じるひとも多いようだけれど、その匂い(体臭)=フェロモンというわけではない?
「フェロモン香水」が市場に出回っている影響で、フェロモン=匂いというイメージを持たれている方は多いかもしれませんが、フェロモン=匂い(体臭)ではありません。
とはいえ、体臭も合う合わないという相性があります。このひとの匂いは好きだけど、あのひとの匂いはあまり好きではない、ということってありますよね。心地よく感じる体臭とそうでない体臭があるのですが、そういったこともひっくるめて「フェロモン」という言葉に置き換えているのではないでしょうか。確かに、「このひとの匂いに堪えられない」というひととは暮らせませんよね(笑)
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
フェロモンと色気の関係
自分を女性として魅力的に見せたいとき。気になる男性と二人きりで会うとき。「色気を出したい」と思ったことはない? そんなとき、ふと頭をよぎる「フェロモン」という言葉。医学または生物学的に“色気が多い状態”は定義できる?
フェロモンと色気は関係ないでしょう。色気ってひとそれぞれ感じ方の違いがあります。好みの問題です。例えば色気押しのタレントAさんがいたとして、そのひとを見た全員が色っぽいと感じるとは限りませんよね。
モテに関しては“何を狙うか”ではないでしょうか。いろんなひとにモテたいなら一般ウケを、特定の層にモテたいならそのひとたちの好みをリサーチして取り入れるのがいいと思います。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
フェロモンに関するアイテムについて
巷で売られている「フェロモン香水」の数々。恋を予感させたり、ドキッとするようなラブハプニングを期待しちゃうけれど、実際のところそのパワーとは。
お色気むんむん状態のことを「フェロモンむんむん」なんて言ったりしますよね。本当の化学物質のフェロモンではなく、色気のイメージをフェロモンという言葉に置き換えただけかと思われます。
フェロモン香水などは、その香りが好きであれば買ってもいいかもしれません。ただし、フェロモンが物理的に増えるというわけではありません。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
生理がフェロモンや匂いでうつる説について
「生理予定日じゃないのに、生理中の友人と一緒にいたらきた」という経験をしたことがある女性は少なくない様子。生理がうつる・うつらないという話はよく耳にするけれど、実際にうつることってあるの?
卵巣刺激ホルモンや黄体ホルモンなど、卵巣の働きを制御する物質が体外に出て、飛沫感染することはありません。だから、生理がひとにうつることはないんですよ。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
「生理をうつすフェロモンがある」なんて噂もちらほら。卵胞期と排卵期の女性のワキから出るアポクリン腺のフェロモンをかぐと、月経周期に影響を及ぼすとかしないとか…?
「フェロモンが濃いひとはモテる」などよく勘違いされているけれど、フェロモンは、人体にはない物質です。動物や虫などが、他の個体に特定の行動を引き起こさせたり、生理条件に働きかけたりするのがフェロモンです。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
まとめ
・現在の研究では、人間にはフェロモンがあることは確認されていない。
・フェロモン=匂い、フェロモン=モテ成分ではない。
・フェロモン香水などをつけることでモテるかどうかは不明。
・生理がうつるということはありえない。
巷では、「フェロモンむんむんな女性がモテる」なんて言ったりもするけれど、「フェロモン」とはあくまでも例えであって人間そのものに存在しているものではない。あまり、「フェロモン〇〇」といった言葉におどらされないように。
取材協力/産婦人科医 宋美玄
いまの医学では、人間にはフェロモンはないと言われています。モテ成分として「フェロモン」という言葉がよく使われますが、それはあくまで「例え」ではないでしょうか。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生