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乳首・乳輪にまつわるお悩みに女医が助言!気になる黒ずみ・色や大きさ、解消できる?

「どうして乳首が黒くなるの?」「ひとより乳輪が大きい気がする」…乳首にまつわる悩みや疑問は尽きないもの。相談するのが恥ずかしいと感じている女性も少なくないのでは?そこで、そんな疑問やお悩みをすっきりさせるべく産婦人科医で医学博士の宋 美玄先生に聞いてみた。

ひとには言えない「胸」のお悩みに女医がアドバイス

悩み① 乳首や乳輪の色が濃くなるのはなぜ?

「私のって黒かも」と、一度気になりだすと、どんどん黒く見えてきてしまう乳首。できればピンク色であってほしいけれど、そもそも乳首の色が濃くなってしまう原因とは?

性ホルモンの分泌が多くなると黒ずみやすいです。例えば思春期。子どものころはあまり出ていなかったものがたくさん出るのと、乳腺の活動が活発になるのとが重なり、黒ずみやすいです。

あとは妊娠したときですね。妊娠期間中はずっと性ホルモンの量が増え続けて、その量は普段の150〜200倍になると言われています。乳首だけでなく体のいろいろなところが黒くなりやすい時期なんですよ。

コメント: 宋美玄先生

悩み② 乳輪って一体、何のためにあるの?

乳輪にあるイボのようなぶつぶつは“モントゴメリー腺”と呼ばれるもの。皮脂を分泌する働きをしているのだとか。皮脂によって乳首や乳輪が乾燥するのを防ぎ、肌の健康を保つのに◎。 皮脂がにおいを発することもあり、授乳時に赤ちゃんが目印にするんですって。

乳首が何のためにあるのかというと、“赤ちゃんに母乳をあげるため”です。母乳をあげると水ぶくれができたり、切れたりしてしまったり……想像以上に過酷なんです。そんなダメージから乳首を保護するために皮脂が出ていると考えられています。

ちなみに、乳首が黒くなるのは“子どもが見つけやすい”ようにという説もありますが、確かなことはわかっていません。まだまだ不確かなことも多いでんですよ。

コメント: 宋美玄先生

悩み③ 本来の位置と違う所に乳首らしきものを発見!

人間の乳首は左右に1つずつの計2つ、というのがスタンダード。ところが、乳首らしきものがワキの下やろっ骨周りにある人、できる人がいるのも事実。この余分な乳首らしきものは“副乳”と呼ばれるもの。特に害はない様子!

妊娠して乳腺が発達すると副乳と呼ばれるものができることがあります。授乳が終われば目立たなくなることが多いですし、副乳自体は害があるものではないので、問題視する必要はありません。

人間は現在は乳首が2つしかついていませんが、かつては他の動物のように何個かついていた頃の名残だと言われていますよ。ただし、乳房付近にコリコリがあったら副乳だと判断せず、専門医に診てもらいましょう。

コメント: 宋美玄先生

悩み④ ひとより大きい小さい&左右でサイズが違うetc. 乳首・乳輪のあれこれ

乳輪が大きいことに悩んでいる女性も多い様子。けれど、胸が大きければ乳輪が大きくなるのは普通のこと。また、乳房の大きさが左右で違うのも特に問題ないようなので、気にしすぎないようにしたいところ。

胸が大きいと乳輪も大きい傾向にあり、個人差があるので気にしないのが一番。人ぞれぞれ、個性ではないでしょうか。コンプレックスが気になってしまうと「それさえなければうまくいく」という考えに陥りがちですよね。「乳首がピンク色だったら彼氏ができるのに」なんてことはありません。(笑)

コメント: 宋美玄先生

悩み⑤ 胸が小さいのは女性ホルモンが足りない!?

「胸はできれば大きい方がいい」という女性は多いかもしれないけれど、実際のところ小さくても大きくても悩みのタネになる胸のサイズ。ところでそのサイズって、女性ホルモンの分泌量が多ければ大きくなるの?

女性ホルモンの量と胸の大きさは、関係ありません。胸の大きさは小さくても大きくても悩んでいる人がいるので、本当にひとそれぞれですね。

私もかつては胸が小さいのが気になっていたのですが、2回子どもを産んで授乳したら、胸もすごく大きくなりました。それを経験してからは、胸の大きさはあまり気にならなくなりましたよ。(笑)

コメント: 宋美玄先生

乳首や乳輪の黒ずみどうすればいい?ケア方法を女医が伝授

白肌パワーが期待できるハイドロキノンを塗るなど、黒ずみ対策はいろいろあるみたい。そのタイプはクリーム、ジェル、軟膏など、テクスチャーの種類も豊富。ここ数年、美容皮膚科だけでなく、ドラッグストアや通販サイトでも購入が可能!

自費診療になると思いますが、スキンケアとして皮膚科に通う女性も増えていますね。色素の漂白作用を持つ「ハイドロキノン」とビタミンA誘導体の「トレチノイン」を併用するのが効果的であるといわれています。2種類が混ざっている製品だと、より便利ですね。

コメント: 宋美玄先生

ただし肌に合わない場合もあるので、異変を感じたらすぐに使用を控えるべき。

ハイドロキノンは4~10%、トレチノインは0.025%~0.1%濃度のものが多いです。刺激がある成分が含まれているので、合わない製品を使うことで肌荒れや炎症が起きることも。「使ったら黒くなった」という方は、かぶれや炎症で色素沈着した可能性があります。

コメント: 宋美玄先生

乳首がかゆくなる原因とは?乳がんの可能性もある?

「最近、乳首がかゆい気がする」「かぶれたように、乳首あたりが肌トラブルを起こしている」なんてときはちょっぴり焦ってしまうもの。もしやこれは乳がんや他の病気のせい!?

かゆくなったから乳がん、ということはないと思います。かゆみは、汗によるかぶれやアトピーを疑ったほうがいいです。

コメント: 宋美玄先生

まとめ

・乳首の色が濃くなるのは女性ホルモンの影響。
・胸の大きさは女性ホルモンの量とは関係なし。乳房、乳首、乳輪の大きさはひとぞれぞれなので気にしすぎないのがベター。
・バストトップの黒ずみを少しでも薄くしてピンク色に近づけたいならば、白肌パワーが強いハイドロキノンを試してみる価値あり。
・乳首のかゆみは汗によるかぶれやアトピーの可能性大。気になるほどかゆみを伴う場合は専門医に相談を。

ひとには相談しにくい「乳首や乳輪」のお悩み問題。あまり神経質になりすぎるのは注意だけれど、最近では効果的な薬なども処方してもらえるようだから、一度かかりつけの医師に相談してみるのもひとつの手かも。

ケアの仕方がわからない、相談するのが恥ずかしいから…とあきらめずに、理想のバストトップを目指して。

取材協力/産婦人科医 宋美玄先生

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配信日:水曜日(隔週)

巷のビューティー神話に、産婦人科医の宋美玄先生がお答え。

text : Yoshiko

supervised by

産婦人科医 医学博士
宋 美玄

大阪大学医学部医学科卒業後、同大学産婦人科に入局。“カリスマ産婦人科医”として女性の悩み、セックス、性や妊娠などについて女性の立場から積極的な啓蒙活動を行う。
by.Sチャンネル「巷のビューティー神話にご用心。」で水曜日(隔週)配信中!

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