SPF、タイプ、塗り方…。皮膚科医に聞いた「日焼け止め」にまつわる5つのNGって?

「SPF値の高いものを使えば朝塗るだけで1日大丈夫」「肌に負担をかけたくないから日焼け止めを使わない」「飲む日焼け止めだけで大丈夫」など、日焼け止め対策にまつわるあれこれ…実はNGだった!? そんなあらゆる疑問や誤解について、渋谷スキンクリニックの吉田貴子院長に直撃!

【NGその1】SPFが高ければ塗り直しは不要

「朝、SPFの値が高い日焼け止めを塗れば1日中問題なし」というのはNG。2〜3時間を目安に塗り直さないと、日焼け止めの意味がないのだとか。さらに吉田先生によると、それ以外にも塗り直すポイントがあるそう。

時間に関係なく、汗や皮脂で日焼け止めが流れたりヨレたりしてしまったら塗り直す必要があります。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

【NGその2】SPF対応の化粧下地やファンデーションを使えば日焼け止めは不要

最近はSPF対応の化粧下地やファンデーションの種類も豊富。これを使えば日焼け止めをベースに塗らなくても大丈夫?

化粧下地やファンデーションのSPFがいくつかによります。SPF20前後では値が低いので、ファンデーションの前に日焼け止めを塗っておきましょう。高いSPF(SPF50)であれば日焼け止めは塗らなくても大丈夫です。最近はSPF値が高くても肌に負担がかかりにくいものも多くあるので、そういったものを選んでみてください。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

UV対応の化粧下地やファンデーションはSPF15~30程度のものが多いため、SPF50の日焼け止めを別途使用するのがベター。また、高SPFであってもサラッと塗るだけでは意味なし! 厚塗りのほうが紫外線対策としては◎。

【NGその3】ココナッツオイルで紫外線対策

「肌に負担をかけたくないから、ココナッツオイルで紫外線対策をする」といった声もちらほら。これって実際のところ、効果は期待できるの?

ココナッツオイルで紫外線対策できるといったエビデンスはありません。油分を肌に乗せることはニキビの原因になりかねないので、あまりおすすめしません。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

【NGその4】日焼け止めの種類は何を使っても同じ

ジェル、クリーム、ミルク、パウダー、ミストなど日焼け止めの種類はいろいろ。吉田先生がおすすめなのはどのタイプ?

私が推奨するのは王道のクリームタイプ、またはミルクタイプです。私が取り扱っているクリームタイプの日焼け止めはノンコメドジェニック処方ですよ。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

肌に塗布してコメドができやすいか否かをチェックする試験をパスした製品が、「ノンコメドジェニックテスト済み」と認定されるのだとか。

コメドはニキビの初期段階で毛穴に皮脂や角質が詰まる状態。それをパスしているノンコメドジェニックは全てのひとにコメドができないわけではないけれど、試験をパスしていないものよりも安心して使えそう。

【NGその5】飲む日焼け止めを飲んでいるから、塗る日焼け止めは不要

紫外線によるメラニン色素を抑制する成分が含まれた「飲む日焼け止め」。抗酸化作用の高い成分が含まれているからといって、絶対に日焼けしないとは限らない! 肌にもしっかりと日焼け止めを塗って、そのうえで補助として飲む日焼け止めを併用するのがベター。

飲む日焼け止めの傾向として、抗酸化作用の高い成分や、肌ダメージの修復を促す成分を何種類かミックスしてサプリ化していますよね。私が勧めている「アスタキサンチン」「フラーレン」「ビタミンC」も抗酸化作用が高いのですが、あえて飲む日焼け止めを買わなくても、こういった成分を自分で組み合わせて飲むのもいいと思います。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

日焼け止めを選ぶなら、SPFの高いクリームまたはミルクタイプのものを。ニキビが気になる場合はノンコメドジェニックかどうかをチェックしてみて!

さらに、朝しっかり塗ったうえで、2〜3時間おきにこまめに塗りなおすことが必須。汗や皮脂が多くでたとき、肌を拭いたときにも塗り直すことで日焼け止めの効果を最大限に感じられるはず。

取材協力/渋谷スキンクリニック 吉田貴子院長

text : Yoshiko

supervised by

渋谷スキンクリニック院長
吉田 貴子

皮膚科・美容皮膚科医。渋谷スキンクリニック院長。あまねく人々のホーム”スキン”ドクターになるべく毎日奮闘中。コラムなど執筆活動でも美肌普及活動に力を注いでいる。

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