【皮膚科医監修】ニキビができる原因を部位ごとに解説。「睡眠時間」や「ホルモンバランス」は関係ある?

おでこや頬など、できるとつい触ってしまう「ニキビ」。そもそも思春期でもなく、もう大人なのになぜニキビができるのか。ニキビのメカニズムやその原因の数々について、渋谷スキンクリニックの吉田貴子院長に直撃! ニキビによくないNG習慣や食生活、予防方法を習得して健やかな肌を手に入れて。

-目次-

ストレス・睡眠不足・ホルモンバランスの乱れetc. 日常生活から考えられるニキビの原因

「白ニキビ」「赤ニキビ」「黒ニキビ」のほかには?ニキビの種類をチェック

ニキビができる場所によって原因や体の不調がわかる?

美容皮膚科医が喝! ニキビの原因になり得るNG美容習慣

日常生活でできるニキビ予防法は「洗顔」

ニキビのない美肌を目指すなら「観察」と「予防」を

まとめ


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ストレス・睡眠不足・ホルモンバランスの乱れetc. 日常生活から考えられるニキビの原因

睡眠不足なのか食生活なのか、それともストレスやホルモンなのか。ニキビができちゃう原因はいろいろ思い浮かぶけれど、そもそもニキビができるメカニズムって?

はがれた角層が毛穴をふさいで詰まってしまいます。この詰まった部分にアクネ菌が増殖してニキビができてしまうのです。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

可能性その1:ストレスや睡眠不足、によるホルモンバランスの乱れ

患者さんをたくさん見てきた現場視点から申し上げると、精神的なストレスもニキビの大きな要因になりえるように感じます。事実、ストレスは脳に影響を与えてアンドロゲンというホルモンを増加させるのですが、これがやっかい者。

アンドロゲンによって皮脂分泌が活発になり、毛穴が詰まりやすくなるのです。専門機関では研究も進められており、2004年に発表された論文では、キャリア女性においてストレスレベルと血中アンドロゲンとニキビの発症が関係していると示唆されていますよ。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

可能性その2:生理前のホルモンバランスの変化

女性ならではの毎月の生理。ホルモンバランスの変化を敏感に感じる方も多いはず。気分が沈んだり、ちょっぴり体がダルくなったりするだけでなく、肌にも影響がでるのだとか。

生理前にニキビができる、という方が多いと思いますが生理前はプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が多くなります。
このホルモンは男性ホルモンと似た働きがあり皮脂の分泌が多くなります。
そのため肌状態が不安定になりやすいのです。

一方生理始まりや、生理後などはエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が優位になります。
エストロゲンは美肌に関わるホルモンでこの時期は肌の状態も比較的良くなります。

出典: 皮膚科医が教える“花嫁美肌”の作り方

可能性その3:偏った食事による健康バランスの乱れや便秘による腸内環境の変化

肌老化は突然はじまるのではありません。産まれた時が最も若い肌、それからゆっくりと老化していきます。もちろん、10代で肌老化を気にする人はいないでしょうが、20代も半ばになればそれまでに蓄積してきた紫外線や乾燥によるダメージ、食生活や生活習慣の乱れなどの内的要因が積み重なって現れてきます。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

可能性その4:間違ったスキンケア

肌に合わない化粧品を使い、メイク直しのたびに重ねることもニキビ肌の原因に。リキッドのように油分の多いものよりも、油分が控えめなパウダーファンデーションや日焼け止めに注目してみて。

間違ったスキンケア方法や、生活リズムのくずれによっても皮脂の分泌が多くなります。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

「白ニキビ」「赤ニキビ」「黒ニキビ」のほかには?ニキビの種類をチェック

「ニキビ」と一言で言っても、その種類はいろいろ。白っぽいこともあれば、赤くてちょっぴり痛みがあることも…。代表的な白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ、膿ニキビの違いとは?

紫ニキビというのも最近聞かれますが、毛穴の中で出血して血が溜まっている状態で紫に見える状態。基本的にニキビは、白ニキビ、赤ニキビ、黒ニキビ、膿ニキビの4種に分けられます。

白ニキビは皮脂がたまり、毛穴が詰まって白い盛り上がりがある状態を指します。赤ニキビは白ニキビが悪化し赤く腫れており、炎症を起こしているもの。黒ニキビは毛穴が開いていることで白ニキビの皮脂が酸化して黒ずんだ状態。膿ニキビは赤ニキビがさらに悪化し、炎症が激しくなって黄色い膿が溜まった状態です。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

また、ニキビだと思っていたら、実は違っていた…! なんてこともあるそう。くわしく知りたい方は下記の記事もチェックしてみて。

ニキビができる部位によって原因や体の不調がわかる?

「生活習慣の乱れによって内臓に悪影響がでている」「ホルモンバランスが乱れている…」など、ニキビができる場所によって、体の不調がわかるといった説を聞くけれど、実際のところどうなの?

# おでこ、頬、鼻、耳、頭皮、背中、デコルテ
油が出やすいパーツで、過剰な皮脂分泌によりニキビが生じることが多い。

# Uゾーン
油が出にくいパーツで、ホルモンバランスの乱れによってニキビが生じることが多い。

油っぽくなりがちなおでこ、頬、鼻、耳、頭皮、背中、デコルテは皮脂が原因だと言えるでしょう。対してUゾーンに当たるあごの中心以外~あごの横の部分は、それほど油っぽい部分ではないですよね。皮脂というよりもホルモンバランスの乱れが、ニキビができる大きな原因だと考えられます。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

美容皮膚科医が喝! ニキビの原因になり得るNG習慣

先にも紹介したように、油分は避けるのが正解。そのためニキビに悩む方は、昨今のトレンドとしてもあがる「オイル美容」はもちろんやるべきではないというわけ。

オイルはニキビを作る原因となると考えています。私自身も、オイル美容はやっていません。

基本は水分を入れることを意識して化粧水を使い、その後、抗酸化作用を高めてくれる美容液でケアすればOK。クレンジングはオイルフリーのジェルがおすすめですね。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

また、もう一点気をつけたいのが洗顔。冷水で顔を洗うと毛穴が引き締まりそうな気がするけれど、吉田先生は冷たい水で洗顔することは絶対にないとのこと。

そもそも、顔を洗うときに冷たいのは嫌ですよね(笑)

私は基本、体温程度のぬるま湯で洗うようにしています。逆に38.5度以上の熱すぎるお湯で洗うことも、必要以上に油分が出てしまうのでおすすめできません。

よく冷たい水と熱いお湯で交互に洗うと肌が引き締まって美肌になる…なんて話を聞くこともありますが、医学的根拠はありません!

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

そして、こちらはNG習慣として一般的に認知されているけれど、どんな理由があれど「日焼け」「喫煙」は絶対的に避けること! 非喫煙者も、カフェ利用時の喫煙席には座らないのが正解。

日常生活でできるニキビ予防法は「洗顔」

「夜しっかりとクレンジングをすれば大丈夫」と、朝洗顔をしないひともちらほらいる様子。けれど、吉田先生いわく、朝もきちんと洗顔料を使って洗うべきとのこと。

ただし、朝は油分が気になるTゾーンのみで、目もとは洗わないで軽く洗うくらいでOK。このとき、洗顔料もオイルフリーのものを選択すると◎。

ニキビのない美肌を目指すなら「観察」と「予防」を

肌トラブルの改善からメディカルエステまで、トータルスキンケアを提供している「渋谷スキンクリニック」。院長である吉田先生が気になっているのは、自分の肌状態から目を背けているひとが多いことなのだそう。

肌をきれいにするための近道は、自分の肌をよく観察すること。間近で拡大して、自分の肌をよく見ると、いままで気づかなかったシミやシワなど問題点が浮き出てきます。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

自分の肌を観察して、いつもと違う点を発見したらクリニック等の専門家に相談するのがいいのかも。ちなみに夏の紫外線対策でも気をつけたいことがこちら。

日焼け止めやファンデーションなど、敏感肌用のものを選ぶことはもちろん、“ノンコメドジェニック”の表記がマストです。毛穴のつまりにくさが試験で証明されている化粧品で、アクネ菌の養分になりにくい油性成分でつくられていて、ニキビの誘発を防いでくれるんですよ。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

また、日焼け止めには大きく分けて散乱剤と吸収剤という2つのタイプがあります。吸収剤の方がかぶれやすい、と言われていましたがそれは昔の話。昨今では、かぶれにくい処方の吸収剤配合日焼け止めも数多く発売されています。そのため、その観点で判断はせず、ニキビ肌のひとは、“ノンコメドジェニック”や“アレルギーテスト済み”、“皮膚科学的テスト済み”と書いてないものは避けるようにしましょう。

コメント: 渋谷スキンクリニック吉田先生

まとめ

・ニキビの予防は、毛穴をふさがないこと。
・朝晩の洗顔をしっかり行い、余分な皮脂や汚れはしっかりオフ。
・きちんと保湿して肌を柔らかい状態に保つことが◎。
・紫外線対策のためには肌にやさしい使用感のものを選び、オイルフリーのアイテムを使うべし。
・食事、睡眠など、規則正しい生活習慣を。

ニキビに悩んでいるなら、スキンケアだけでなく、メイクアイテムや紫外線対策もぬかりなく行って。そして、ニキビひとつないつるんと美肌を目指して!

取材協力/渋谷スキンクリニック吉田貴子院長

text : Yoshiko

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