「妊娠」や「セックス」ほど、女性同士の会話の話題になることのない「おりもの」。でも、実は自分でも気が付かないうちに病気のサインを発していることもあるというから心配。そこで今回は、「おりもの」の基礎知識から、生理後から生理前にかけておこる変化について産婦人科医の宋美玄先生がアドバイス。
「おりもの」の基礎知識。どんな役割? 頻度や量は?
そもそも「おりもの」とは、なんのためにあるのか。成分は子宮内膜や膣からの分泌物。膣内の自浄効果や、膣内へ細菌やウィルスなどが入ってくるのを防いでいる。生理前には量が増えたり、排卵日近くなると白っぽくなったりとその状態や分泌量は生理周期に合わせて変わることが多い。
なかなかひとには相談しにくいデリケートな話だから、自分の状態が正常なのか判断しづらいもの。
生理前はとくに悪臭が…臭いの原因は?
おりものについて抱える悩みのなかでも多いのが「臭い」にまつわるもの。元彼からの心無い言葉に傷ついている女性もいれば、自分の臭いが他人にも伝わっているのではと気にする女性も。
そんな女性の悩みに宋先生は、こう話す。
自分の臭いはどうしても気になってしまいますよね。とはいえ、これまでに隣に座っている女性のおりものの臭いに気が付いたことはありますか? 恐らくないはず。自分で感じているほど周囲のひとにまでは臭っていないものだから安心してください。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
白・茶色・黄色…おりものの色による「正常/異常」の見分け方
さらに、多い悩みは「色や状態が正常かどうか」。たまに茶色っぽい日があると不安になったり、生理前後での臭いの変化に過敏になってしまう女性も多い。
おりものに関しては、「ここまでが正常」という範囲が広いのが正直なところです。白っぽいもしくは黄色っぽいものが下着に付着する、特有の臭いがする程度であれば、そこまで気にし過ぎることはありません。
しかし、泡っぽい状態であったり、カッテージチーズ状の場合や、臭いが魚の腐ったような臭いの場合には異常の可能性があります。すぐに産婦人科を受診しましょう。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
生理前のベタベタ/水っぽいなどの状態に…おりものの正しいケアは?
生理ほどは量が多くないとはいえ、タイミングによってはベタベタして気になったり、水っぽいと下着を汚してしまったり。おりものに対して何か対策をと悩む女性も多い。
ドラッグストアなどでは「おりものシート」が市販されているのをよく見るけれど…。
おりものが多くなる生理前には、下着にべったりとついてしまっていて、どうしても洗濯では落とし切れないこともあります。だんだんこびりついたりして、だけど毎日手洗いでしっかり落としている暇もないし…。とはいえ、毎日おりものシートを使用するのは面倒。
コメント: 女性/32歳
やっぱり「女性」たるもの、おりものに対してもシートなどでケアをしなければいけないものなの?
紙製のおりものシートは蒸れることもあるので、布製のものを使用することをおすすめします。布製のものであれば、毎日それだけを手洗いするので手間もかかりませんし、汚れが落ちなくなってきたら交換すれば良いでしょう。
あるいは、それすらもなかなか難しいという場合には「下着は消耗品」と割り切って、汚れが気になったら買い替えるようにしてみては。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
妊娠初期はおりものが増える?
さらに、よく聞くのが「妊娠発覚前に、おりものの変化で妊娠したかどうかをチェックした」という話。受精卵が着床すると、卵胞ホルモンであるエストロゲンが増えるため、普段よりも水っぽいおりものが分泌されたり、量が増えたと感じる女性も多いよう。
明らかにおりものの色やにおいなどの変化や異常が自分では感じることができない場合でも、クラミジアなどに感染していることもあります。おりものだけで自分の状態を判断するのは難しい場合もありますが、なにか少しでも気になることがあれば、すぐに婦人科へ。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
おりものだけでは自分の状態の判断はできないけれど、身体の変化や異常に気がつくためにも、普段から色やにおい、どのくらいの量が分泌されているかはチェックしておいたほうがいいかも。
取材協力/産婦人科医 宋美玄
たまに服を着ている状態でも臭いが気になることがあります。とくにズボンの日は下着を通過してズボンにもおりものの臭いが付着しているような気がして、周囲のひとにも臭っているのではと不安になることも。
コメント: 女性/25歳