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月経前症候群(PMS)について女医が解説。起こりうる10の症状と解消法をアドバイス

毎月生理前になるとイライラしたり、頭痛や腹痛などに悩まされる女性は多い。でも女性ならみんな我慢していることだし仕方のないことなの? そんなお悩みに産婦人科医の宋美玄先生がアドバイス。

「月経前症候群(PMS)」とは? いつからおこるの?

排卵後から生理までの期間に起こるさまざまな身体や心の不調を「月経前症候群(PMS)」と呼ぶ。その症状はひとそれぞれ異なり、同じ女性でもその月によって出る症状が異なることもあると言うけれどどのようなものがあるの?

ひどい生理痛・イライラ・うつetc. 生理前のお悩み「月経前症候群(PMS)」10の症状チェック

一般的に、ひどい生理痛やイライラ、うつっぽい症状などに悩む女性が多いようだけれど、そのほかにどんなことがおこり得るの?

アラサー女性たちが感じている症状や宋先生に伺った「10の症状」をチェックしてみて。

症状その1:イライラする

生理前になるとイライラしやすいという女性は多い。普段は気にならないようなこともつい気になってしまったり…彼ともケンカになりやすかったり。

以前はどうして月末になると彼とケンカばっかりするんだろう? と不思議だったけれど、最近では生理前だからかもしれない、と気がついて月末はデートを減らしてみたり、彼の細かい言動は気にしないようにしてケンカにならないように心がけています。

コメント: 女性/29歳

症状その2:うつ、不安感

なんとなく仕事への集中力がなくなってしまったり、あるいは不安感が強くなったり、憂鬱な気持ちになってしまうという女性も。

生理前になると、仕事の処理速度が明らかに低下します。また、いつもよりもやる気がなくなる気も。できるだけ生理前に重めの考える系の仕事を片付けて、生理前には事務処理など淡々とできる仕事をするように調整していますが、どうしても自分でコントロールできないこともあり辛いことも。

コメント: 女性/32歳

症状その3:乳房の痛み

生理前になると乳房が張ったり、胸のサイズが変わったと感じる女性はとても多いみたい。

生理前はいつも右の乳房の決まった場所が痛くなります。婦人科では生理前にホルモンバランスの影響で乳腺症の症状が起きていると言われました。現時点では乳がんの心配はないとのことですが毎月痛いとちょっと不安です。

コメント: 女性/26歳

症状その4:関節痛

風邪をひく直前のような間接痛を感じる女性や、激しい運動をしたわけでもないのに筋肉痛のような痛みを感じる女性もいるよう。

症状その5:頭痛

生理の1週間前くらいから頭痛に悩まされる女性は多い。生理中も頭痛に悩まされる女性が多いことを考えると、月の半分は頭痛の危機を抱えているということ?

生理前や生理中の頭痛対策としては、「そろそろ痛くなりそうだな」というタイミングで頭痛薬を飲むのがおすすめです。本格的に痛くなる前に飲むことで痛みを最小限に抑えることができます。

コメント: 宋美玄先生

症状その6:だるさ、眠気

なんだか朝からだるい。寝ても寝ても眠気がおさまらない…そんな状態に陥りやすい女性も多いのでは?

生理前から生理中にかけて、普段にくらべて身体がだるく重いような気がします。休みだといいのですが、仕事の日に重なることも多くあるので困っています。

コメント: 女性/27歳

症状その7:食欲増加、体重増加、むくみ

生理前には食欲が旺盛になることもある。それにしてもと疑問に思うほど、1~2キロの体重増加に驚く女性が多いよう。また、普段はむくみをあまり感じない女性でも、生理前や生理中に顔や足のむくみを感じるという女性も。

とにかく生理前から生理前半にかけてふくはらぎがパンパンにむくみます。なにもしなくても痛いくらいむくむので、お風呂でマッサージや普段から運動も心がけていますがとにかく生理中の悩みです。

コメント: 女性/32歳

症状その8:吐き気

生理前に吐き気を感じる女性は多く、ときに「もしかして妊娠?」と勘違いさせてしまうこともある。しかしこれもPMSの症状のひとつ。胃や腸が締めつけられるような吐き気を感じる女性が多いみたい。

症状その9:腹痛、下痢

生理の3~4日前から腹痛を感じるのは生理の準備段階に入ったから。腹痛だけでなく下痢などの症状が出る場合もあるのだそう。

私の場合、だいたい生理前のタイミングで下のほうが締め付けられるような腹痛にくわえお腹を下すといった症状がおこり「明日あたり生理になりそう」というサインです。

コメント: 女性/29歳

症状その10:肌荒れ

生理前になるとあごまわりや口のまわりにニキビや吹き出物ができやすい女性も。これは女性ホルモンの影響だけでなく、冷えなども影響しているのだそう。低用量ピルで改善することが多いので、悩まされている女性は検討する価値がある。

普段ニキビはできないのに、毎月生理前になると赤いニキビいくつかできてしまいます。生理が終わると落ち着くのですが、ひどくなるときはメイクで隠すのも大変で…。

コメント: 女性/27歳

「月経前症候群(PMS)」は女性なら仕方のないこと…?

女性だから毎月生理があることも、生理前にそれに伴う症状が起きてしまうことも仕方のないこと…と多くの女性はあきらめモード。何かいい解消法はある?

本当にそういった症状が月経前のときだけなのかをまずはきちんと記録してみましょう。PMSや月経中の辛さ対策には漢方や、痛み止め、お腹周りを温めるなどの方法があります。

コメント: 産婦人科医 宋美玄先生

もし毎月おなじ症状が起きるのであれば、事前に痛み止めや漢方を飲んでおくことで痛みを軽減させることもできるみたい。

妊娠を望んでいるわけではないのに、毎月PMSや月経痛などに悩まされているのはもったいないことです。ピルを飲んで月経やそれに伴う症状を調整することをおすすめします。

コメント: 産婦人科医 宋美玄先生

すぐに妊娠を望んでいるわけではないのであれば、ピルで月経自体を調整することで月経痛やPMSが改善されることもあるのだとか。

「月経前症候群(PMS)」は我慢せずひどいときは病院へ

とはいえ、ピルを飲み続けているといざ妊娠を望んだときに妊娠しづらくなるのではと思ってしまうけれど?

妊娠を望むまでの期間、ピルで排卵を止めることで子宮に余計な負担をかけないことが大切です。ピルを飲み続けることにより妊娠しづらくなるといったこともありません。

コメント: 産婦人科医 宋美玄先生

逆に妊娠を望んでいないにも関わらず生理が毎月あることで無駄な負担を子宮にかけてしまっているのだとか。

PMSと生理痛が辛いという方は月の4分の3なにかしらの痛みに悩まされていることになります。「たかが生理痛ごときで」「生理前がつらいのは普通」と言う方が多いですが、そういった「つらくて当然」という考えをまずは捨ててみましょう。

激痛が起きている場合には自力で乗り切るのが難しいこともあります。毎回激痛がある方は、一度専門医に相談してみましょう。

コメント: 産婦人科医 宋美玄先生

毎月PMSで悩んでいる女性は、PMSぐらいで病院に行けない…面倒だし…としぶらずに。気楽に相談できるような “マイ産婦人科”を持って、つらいと思ったら受診できるように。
あきらめずに、PMSの負担を減らして快適な日々を過ごして。

取材協力/産婦人科医 宋美玄先生

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巷のビューティー神話にご用心。

配信日:水曜日(隔週)

巷のビューティー神話に、産婦人科医の宋美玄先生がお答え。

text : 松本果歩

supervised by

産婦人科医 医学博士
宋 美玄

大阪大学医学部医学科卒業後、同大学産婦人科に入局。“カリスマ産婦人科医”として女性の悩み、セックス、性や妊娠などについて女性の立場から積極的な啓蒙活動を行う。
by.Sチャンネル「巷のビューティー神話にご用心。」で水曜日(隔週)配信中!

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