いつもきっちり来るはずの生理が今月は来ない! そんなとき少しでも身に覚えがあるとつい妊娠を疑ってしまうもの。しかし生理が来ない理由には妊娠以外にもさまざまな理由や、ときに病気のサインも隠されている。そんな生理が来ない理由について産婦人科医の宋美玄先生がお答え。
妊娠だと思ったら違った…というひとは意外と多い
生理がこない=妊娠、とつい考えてしまいがち。でも、実は妊娠以外にも可能性はいくつかある。少しでも身に覚えがあると疑ってしまうけれど、冷静にほかの可能性についても考える必要がある、と宋先生。
妊娠以外で生理がこない「5つの理由」
生理予定日なのにこない、それどころかもう2ヶ月目に突入。そんなとき、勝手に「もしかして妊娠?」「ストレスのせい?」「睡眠不足?」などと自己判断して慌ててない? 宋先生に、妊娠以外に考えられる生理がこないときの理由を伺うと…
可能性その1:過度なダイエット
過度なダイエットで急激に体重減少が見られた場合や、平均よりも痩せすぎのひとは、女性ホルモンを分泌するための体脂肪が少なすぎて月経不順のリスクが高まる。
可能性その2:ストレス過多
仕事や人間関係などでストレス過多になることでもホルモンバランスが乱れ、それによって生理周期が乱れたり、時には生理が止まってしまうことも。
可能性その3:PCO(多嚢胞性卵巣症候群)を含む婦人科系疾患の疑い
一般的に、生理不順で疑われる病気は「子宮筋腫」や「子宮内膜症」「子宮頸がん」などが認知されているけれど、意外にも多いと言われるのが「PCO(多嚢胞性卵巣症候群)」。排卵が起きにくくなり、生理不順や無月経状態になってしまう症状。場合によっては月経過多状態となることも。
「ダイエットをしたから」「仕事が忙しいから」など、生理不順の原因を勝手に決めつけてしまう方もいますが、もしかしたら別の原因があるかもしれません。
私の患者さんを見ていると、PCO(多嚢胞性卵巣症候群)の方が非常に多いですね。生理は毎月きているけど、期間が微妙にバラバラという場合は、PCOの可能性があります。一度、病院で相談してみましょう。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
可能性その4:早発閉経の疑い
日本人女性の閉経は、45歳~58歳くらいと言われているけれど、~30代・40代前半に、月経が停止することを早発閉経という。早発閉経は、排卵しなくなり、ホルモンを分泌する力が衰えてしまうこと。
可能性その5:甲状腺の病気の疑い
月経不順でほかに考えられることとしては、甲状腺の病気の可能性もあります。とはいえ、たびたび生理不順があるひとは、可能性を列挙するよりもまずは毎日の基礎体温をつけて自分の身体の状態がどうなっているか情報を集めたほうが良いですよ。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
確かに自分の身体のこととはいえ、月経不順というだけで「これは甲状腺の病気かも」とは判断できない。まずは、基礎体温を測る習慣をつけると◯。
生理がこない理由を自己判断しないように
生理が来ない状況やそのほかの症状だけで、その原因を自分で突き止めるのは難しい。ついインターネットで調べた情報や体験談を鵜呑みにしてしまいがちだけれど…。
月経が来ない理由を自己判断で把握することは無理なこと。月経が来ない場合にはまず婦人科を受診して医師の判断を。
生理痛もそうですが、生理不順も「普通のこと」ではありません。変に遠慮したりせず、病院にかかることをおすすめします。
最近では、妊婦さんがいないレディースクリニックなども増えています。子どもがいない女性にとっても行きやすいのではないでしょうか。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
少しでも不安なことがあった場合には、自己判断せずに婦人科を受診する習慣を。かかりつけの婦人科がないというひとは、まずは探すところからはじめてみて。
取材協力/産婦人科医 宋美玄先生
「妊娠かもしれない」と慌てて診察にこられた患者さんのなかには、実は妊娠ではなかったとい方が結構多いんです。
コメント: 産婦人科医 宋先生