生理周期がその月によってバラバラである女性は、意外と多い。けれど「それも私の個性だよね」「ちょっとお疲れ気味だから」なんて気にしていないひとも多いのでは? 正しい生理周期や適切な期間や経血量について、産婦人科医の宋美玄先生がアドバイス。
そもそも「生理」ってなんだろう?
生理の仕組みを考えるうえで重要となるのが、「排卵した卵子」と「精子」が出会って「受精卵」となり、それを守る役割を担うふかふかしたベッドのような「子宮内膜」。「生理」とは、この子宮内膜からの出血のことを指す。精子と出会わず受精しなかった場合、子宮内膜は不要となる。いらなくなった子宮内膜が剥がれ落ち、体外へ排出されるというわけ。
生理を「女としてのシンボル」と思っている女性も多いようだけれど、本来は「妊娠に備えるための仕組み」であり、妊娠する予定がないひとにとって「排卵」や「生理」は不要とも言える。そのため、「妊娠したいとき」までピルなどを服用して排卵や生理を止めておくという選択をする女性も増えてきている。
「生理周期」とその数え方、ちゃんと理解してる?
「生理周期」は、頻繁に情報メディアで扱われていたり、女性同士の会話に登場することもあるけれど、その正しい定義を実はよく知らないという女性も多いのでは?
きちんと自身の生理周期を把握しておくことで、身体の異常にも早く気づけるということ。
妊活をしている方でなくても、基礎体温を毎日測ることで「排卵しているかどうか」、そして「いつごろ生理がくるか」がわかるので、基礎体温をつけることをおすすめします。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
生理の「期間」と「量」ってどのくらいが正常?
そもそも適切な生理の期間というのはどのくらいなのか。4日間~7日間というイメージだけれど…例えば、生理期間が2日しかない場合は短すぎる?
生理の期間は、基本的には3日~7日と言われています。生理が2日しか来ないという場合は、ナプキンが必要なくらい経血が出る日が2日…ということであればそこまで問題視する必要はありませんが、排卵がうまくできていない可能性はあります。基礎体温を測って排卵できているかを確認してみましょう。
逆に生理日が8日以上続くのは長いですね。医師として問題視するのは経血量が多すぎるときです。適切な経血の量は、20~140ccと知られています。多いかどうかの目安としては、例えば「月経カップ」を使用したさいにお手洗いに行く頻度で月経カップから溢れてしまうほど一回の経血量が多い場合。「自分は多いタイプ」などと思わずに婦人科の受診をすることをおすすめします。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
「期間」だけで正常かどうかをみるのではなく、「経血量」とセットで考えてみることがポイント。
「生理不順」の原因として考えられることは?
そんな生理周期が乱れることを「生理不順」と呼ぶけれど、どんなことが原因でおこってしまうのか。
可能性として考えられるのは「妊娠」。そして妊娠以外では「過度なダイエット」「ストレス過多」「婦人科系疾患の疑い」「早発閉経の可能性」「甲状腺の病気の疑い」など。
生理不順で不自然に感じたり、不安に思ったら決して自己判断はせずに、かかりつけの産婦人科を受診するのがベスト。
生理痛を軽く考えている方が多いのと同じく、生理不順も「たまに飛ぶんです」などと軽く考えている方が多いです。まずは基礎体温をつけて、ちょっとした異常があれば「今回はちょっと忙しかったから」などと思わずに、病院に行ってください。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
「40日以上ないんです」生理のお悩みに宋先生がアドバイス
「私は基本的な周期が40日前後。生理周期や状態はひとそれぞれだから、私の個性だと思っているのですが、たまに不安になることも。周期が40日というのは異常なのでしょうか?」とアラサーOLの女性。先生の見解は?
周期が40日である場合は、標準的な生理の期間を超えていると言えます。たまに38日を超える月もある、という程度であれば問題ありませんが、38日以上の周期が続く、あるいは毎月周期がバラバラなようであれば婦人科を受診しましょう。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生
「生理周期」や「生理期間」「経血量」「排卵」など、自分の身体のことはきちんと把握しながら、少しでも不安なときには迷わず婦人科を受診する選択をしたい。
取材協力/産婦人科医 宋美玄先生
「生理周期」とは、生理開始の日から次の生理開始の前日までのことを言い、周期は25日~38日間が基本です。
コメント: 産婦人科医 宋美玄先生