最近よく聞く「膣まわりのお手入れ」の話。きちんと行っておくべきことはわかっているものの、いまだにボディソープでからだを洗うついでゴシゴシするだけ…なんてひとも多いのでは?
今回は、植物療法士の第一人者・森田敦子さんの著書『潤うからだ』からみる「膣まわりのお手入れの重要性」について紐解いていく。
膣まわりのお手入れは、女性として “当たり前のこと”
あなたは「膣まわりのお手入れ」ちゃんとできていると自信をもって答えられる?
日本ではまだまだ、「よくわからない」「恥ずかしい」と思っているひとも多いのが現実。でも、女性にとって膣まわりのお手入れをすることは大事なことで「世界的に見れば当たり前のこと」と森田さんは主張する。
逆に膣まわりのケアをしなければ、ムレやかゆみの症状から、ホルモンのバランスが崩れてPMS(月経前症候群)がひどくなったり、膣の萎縮によるセックスレスにつながることも。ひいては尿漏れや子宮脱などの病気を引き起こし、精神バランスをくずしてうつになるなんてこともありえるのです。
こんなにも大事なことだからこそ、膣まわりのケアの仕方について、正しい知識をもってほしいと願っています。出典: 『潤うからだ』森田 敦子著(ワニブックス 刊)
女性にとって一番大事な場所。なのに洗って終了…?
フェイスケアは洗顔・クレンジング・化粧水・乳液。ボディケアは、ボディソープ・クリーム。顔とからだの保湿ケアはしっかりとやるのに、膣まわりは後まわしになりがち。でも、森田さんいわく、からだの中心部にある膣まわりこそが、一番潤っていなければいけないということをきちんと押さえておくべきなのだそう。
ケアといえばせいぜい、Vゾーンの毛の処理をしているくらいで、お湯で流すだけということはありませんか?
お湯から出たときもタオルでパパッと拭いて、そのままササッと下着をはいて終了、という人が多いのではないでしょうか。
残念ながらこうしたケアでは、膣まわりの清潔が保てなくなるばかりか、粘膜が乾燥してしまいます。出典: 『潤うからだ』森田 敦子著(ワニブックス 刊)
美しくなるための近道「粘液力」って?
そもそも、膣まわりのケアがからだの健康とどう結びつくのか? 森田さんによると、それは、膣、尿道、肛門などそれぞれが粘膜に覆われていて「粘液」を出す大事な場所であるから。
フランスをはじめとするヨーロッパでは、古くから「粘液=免疫力」と位置づけられています。日本人にとってはなじみのない考え方かもしれませんが、かの国の女性たちはみな「粘液力の低下」は「免疫力が落ちているサイン」と認識し、粘液を自分の健康状態を推し量るバロメーターとしています。
出典: 『潤うからだ』森田 敦子著(ワニブックス 刊)
粘液とは、体内に侵入しようとする細菌やウイルスなどの病原体を、かだらのなかにいれないようにブロックしたり、体内に入ってしまった異物を体外に排出するために活躍する体液のこと。私たちのからだを最前線で守ってくれる大事な要素です。
粘液力が低下したからだは、むくみや冷え性に陥りやすく、生理痛がひどくなったり、肌や髪、爪などにハリがなくなり、老化していきます。つまり女性のからだにさまざまな問題を引き起こすことになるのです。出典: 『潤うからだ』森田 敦子著(ワニブックス 刊)
「粘液力」が高いということは、からだのバリア機能(=免疫機能)がきちんと働いている証拠。からだの中側から潤って、艷やかな女性でいられるというわけ。
「粘液力」を高めるには、どうしたらいい?
「粘液力」を高めるにはどうすればよいのか。それは、膣まわり(自分のからだ)ときちんと向き合うこと。ここでは、具体的な膣まわりのお手入れ方法をご紹介。
[基本的なケア方法]
①洗浄
デリケートゾーン専用ソープを使って、やさしく指で洗う。
②保湿
1日1~2回、ローションやクリーム(化学成分が使用されていない安全なもの)を使って膣まわりを保湿。
③オイルマッサージ
オイル(化学成分が使用されていない安全なもの)を使って、膣の外側・中側を指でやさしく塗り込むようにしてマッサージ。
④トレーニング
骨盤底筋をきたえ、筋力をつけることで、膣の萎縮・尿漏れ・子宮脱の予防を。
上記の基本的なケアを行ううえで、自身の膣まわりをきちんと観察すること。また、いまや常識にもなったアンダーヘアのお手入れや、女性性や生理に関する正しい知識を得るためにマイ産婦人科(かかりつけの産婦人科)をもつことも大切なのだとか。
女性として輝くための最大のコツは膣まわりのケアをすること。膣まわりを清潔に保ち、きちんと保湿して潤いのある状態にしておくことが何より大事なことだと思います。
しっかりと粘液を出せる状態の膣にしておくことは、イコール、免疫力を高めることにつながります。免疫力が上がれば健康でいることができますし、いつまでも大らかで若々しさを維持することもできます。もちろん女性としての魅力も失われないでしょう。出典: 『潤うからだ』森田 敦子著(ワニブックス 刊)
・・30歳・・60歳・・80歳・・と人生はまだまだ続く。いつまでも健康で、若々しく、美しく、輝かしく過ごしたいと願うなら、膣まわりのお手入れをはじめてみてはいかが。これまでの平凡な毎日が見違えてみえるかも。
オンナとしての人生を、もっともっと楽しんで。
『潤うからだ』 森田 敦子(ワニブックス刊)