昨今ブームの「膣トレ」や「膣ケア」「膣美容」。理想の女性に近づくためにはぜひ取り入れていきたいところだけれど、実際のところ本当にやるべきなの? 産婦人科医の宋先生が、膣に関するウワサ話について正しい情報か「ウソ・ホント」でお答え!
ウワサその1「彼の感度が上がる」
・・・ウソ
膣トレをすることで「締まりがよくなり男性を満足させられる」「モテる女になる」など、ナイトライフの質を上げるといった内容をよく見かける。パートナーとの時間がいまより素敵になるなら取り入れたいけれど、ウソなの?
ウワサその2「膣は低刺激の石鹸で洗う」
・・・ウソ
毎日のシャワータイム。膣を洗うとき、身体を洗ったついでにボディソープで洗うというのは、よくないとわかる。でも弱酸性など低刺激の洗浄料を使ったほうがいいと聞いたことがあるけれど…これも間違った情報なの?
膣内は自浄作用が働くため、必要以上にケアしなくてもいい場所です。膣内に自分でふれるのは、タンポンや月経カップを入れるときか、マスターベーションのときだけ。膣内は洗浄料を使わないほうがいいです。刺激の弱い専用の石けんで洗って保湿するのは、膣外側のデリケートゾーンですね。
コメント: 宋美玄先生
ウワサその3「オイルで膣の老化予防」
・・・ウソ
「専用のオイルを膣内に塗りながらマッサージをすることで、膣の老化を予防できる」という話。おまけに、「乾きを解消してうるおう女になれる」なんてこともいわれ魅力的に思えるけれど、これも鵜呑みにするのは危険?
膣内にオイルはおすすめしません。どうしてもオイルを使うなら、膣内ではなくデリケートゾーンに。そしてローションやクリームと混ぜて、乳化させてから塗ってほしいです。直接塗ると、油分過多になって湿疹ができてしまうことがあります。
コメント: 宋美玄先生
ウワサその4「ウォシュレットでの膣洗浄はNG」
・・・ホント
生理中などはとくに、デリケートゾーンのムレやニオイ、不快感からウォシュレットを使っているなんてひとも多いはず。でも、ウォシュレットを膣洗浄として使うのはやっぱり控えたほうがいいみたい…
基本的に、洗い流さないほうが良いです。健康な女性の膣内には、ラクトバチルス(デーデルライン桿菌)と呼ばれる乳酸菌がいて、感染からカラダを守る自浄作用の働きを果たしています。でもビデを使うことで、この善玉菌が洗い流されてしまうんです。
またウォシュレットを使っているひとのほうが、膣内に「B群溶連(ようれん)菌」という雑菌が多いというデータがあります。この菌が多いと、妊婦さんにとくに問題。もしお産のとき産道の赤ちゃんに感染すると、1000人に1人の確率で肺炎や脳炎を引き起こすことがあります。
コメント: 宋美玄先生
ウワサその5「尿もれ予防につながる」
・・・ホント
出産経験のない、20代・30代の若い女性でも「尿もれ」は起こりうる。そんな尿もれに悩むひとが試したいのが膣トレ。実際に骨盤底筋を鍛えることができ、尿もれ予防につながり、医療に携わる宋先生も推奨しているそう。
骨盤底筋を鍛えるメリットは、子宮や膀胱など、骨盤内の臓器の下垂を防ぐことができること。膣を本来あるべき位置にとどめることが、尿漏れなどの防止につながります。
コメント: 宋美玄先生
インターネットやSNSなど、情報を簡単に手に入れやすい現代。「膣トレをすると、“モテる” “男を虜にできる”」など、興味をかきたてられるような話が飛び交っているけれど、なかには疑わしいような情報があるのも事実。
なんでもかんでも、信じすぎるのは危険かも…。
取材協力/産婦人科医 宋美玄先生
膣トレーニングをすることで、モテる女になれる、男性を満足させられるなどといった噂が広まっていますが、そういった下心のためだけにやるというのは違和感をおぼえます。
ただし、膣トレは「自分の感度を上げることが期待できる」というのは事実です。
コメント: 宋美玄先生