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生理が遅れる原因「ストレスのせい」と、決めつけてない? 生理不順の“軽視”は危険

あれ? そういえば生理が遅れている…。もしかして、妊娠?
生理が予定日より遅れたとき、勝手に「妊娠」「ストレスが多い」「睡眠不足」など、自己判断して慌ててない?

「病院に行ってみると、思っている状態と異なることがある」と話すのは、産婦人科医の宋美玄(そんみひょん)先生。宋先生に、生理が遅れることに関して詳しく聞いてみると…

生理が遅れている…次くるのはいつ?

一般的に、生理周期は25日~38日といわれている。
でも生理が予定日より遅れると「いつくるんだろう…」と気が気じゃなくなる。反対に、予定日より早くなると「生活が不規則なせい?」なんて自分を省みたくなる。

生理期間全体が延びたり縮んだりしていると勘違いしている方が多いです。実際に延び縮みするのは、生理から次の排卵までの期間。排卵すれば、約2週間後に生理がきます。だから、排卵検査薬などを使うなどして、排卵日がわかれば、生理がいつくるか、ある程度判断できるんですよ。

コメント: 宋美玄先生

予定日より一週間も遅れてる、妊娠かも! 確認するための方法とは

生理が一週間以上遅れ、心当たりがあるひとは「もしかして妊娠した?」と思ってしまううもの。そんなときの確認方法をご紹介。

●妊娠検査薬

妊娠したかどうか調べる方法として、ひとつ目は一般的にも認知されている「妊娠検査薬」。生理が28日周期のひとは、前の生理開始日から4週間後が次回生理開始予定日となる。さらにその1週間後である、前の生理開始日から5週間後に検査可能

●婦人用体温計

女性の体温(基礎体温)は、ホルモンの影響による「高温期(体温が高めに経過する)」「低温期(体温が低めに経過する)」2つに分けられる。これらは通常の体温計では測定できず、婦人用体温計で計る必要がある。

1ヶ月間だけだと、いつもは起こらないイレギュラーのものも含まれてしまうぶん、少なくとも2~3ヶ月は計測しグラフ化し、チェックしていくべき。そこで、高温期が長く(2週間以上)続くと妊娠の可能性があるのだとか。

妊娠以外で生理が遅れる原因をチェック。ダイエット・ストレス・婦人科系疾患の可能性も

原因その1:過度なダイエット

スレンダーな体型は女性にとって、永遠の憧れ。宋先生によると、平均体型のひとに比べて痩せすぎのひとは、女性ホルモンを分泌するための体脂肪が少なすぎて月経不順のリスクが高まるそう。

原因その2:ストレス過多

働く女性が多い昨今、ストレスを多く抱えているひとも多いはず。ストレス過多になることでも、ホルモンバランスが乱れ、それによって月経不順を引き起こすということもあるのだとか。

原因その3:病気の疑い

いつも生理不順だから、そんなに心配しなくても大丈夫と安心するのは危険。
一般的に、生理不順で疑われる病気は「子宮筋腫」や「子宮内膜症」「子宮頸がん」などが認知されているけれど、ほかにはあるの?

「ダイエットをしたから」「仕事が忙しいから」など、生理不順の原因を勝手に決めつけてしまう方もいますが、もしかしたら別の原因があるかもしれません。

私の患者さんを見ていると、PCO(多嚢胞性卵巣症候群)の方が非常に多いですね。
生理は毎月きているけど、期間が微妙にバラバラという場合は、PCOの可能性があります。一度、病院で相談してみましょう。

コメント: 宋美玄先生

ちなみにPCOとは、卵胞の発育に時間がかかり、多くの卵胞が卵巣内に溜まっている状態のこと。卵胞の発育に時間がかかることで、排卵しにくくなり、月経周期が長期化しやすくなるそう。

原因その4:早発閉経の可能性

日本人女性の閉経は、45歳~58歳くらいといわれている。それが30代(またはそれ以前)、40代前半に、月経が停止することを早発閉経という。

早発閉経は、排卵しなくなり、ホルモンを分泌する力が衰えてしまうことで、治療が困難であるのだとか。

「いつものこと」と、生理不順の軽視はNG! いますぐできる対策はあるの?

生理が数日遅れたり、早まったりしても「まあ、そういうこともあるよね」と済ませてしまいがち。でも、生理不順を甘く考えていると痛い目にあうかも…。

生理痛を軽く考えている方が多いのと同じく、生理不順も「たまに飛ぶんです」などと軽く考えている方が多いです。

まずは基礎体温をつけて、ちょっとした異常があれば「今回はちょっと忙しかったから」などと思わずに、気づいたときに病院に行ってください。

コメント: 宋美玄先生

毎月きちんと生理がきているかどうかは、女性にとって重大なこと。
たとえ妊娠の疑いがなくても、「自分の体は、自分が一番よくわかっている」「きっとストレスや疲労のせいだ」なんて、思い込みをしないように。

自分のカラダを守れるのは自分だけであることを、きちんと自覚して。

取材協力/産婦人科医 宋美玄

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巷のビューティー神話に、産婦人科医の宋美玄先生がお答え。

text : 東谷好依

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