最近話題の「膣トレ」や「膣ケア」などのキーワード。骨盤底筋を鍛えたり、会陰マッサージをしたりすることで膣の老化が防げるといい、膣専用のケア用品もさまざまなメーカーから発売されている。
興味はあるけれど、デリケートな部分だけに、間違いのない方法でケアしたい。膣ケアの方法について、産婦人科医の宋美玄先生に聞いてみた。
膣が老化するとどのような現象が起こる?
肌や髪と同じく、膣も加齢とともに老化するという。具体的にはどんな老化現象が現れるのかしら?
将来的な膣の老化を防ぐために、骨盤底筋を鍛えるのはマストかも。「骨盤底筋を鍛えるとホルモンバランスが整う」という話もよく聞くし、もしやいいことずくめ…?
残念ながら、骨盤底筋はホルモンバランスに関係ありません。骨盤底筋を鍛えるメリットは、子宮や膀胱など、骨盤内の臓器の下垂を防ぐことができること。膣を本来あるべき位置にとどめることが、尿漏れなどの防止につながります。
コメント: 宋美玄先生
膣専用のケア用品、宋先生の見解は…
会陰マッサージをしたり、膣にオイルを塗ったりすることも、膣ケアに有効と聞く。専用のオイルもいくつかあるけれど、どれがいいんだろう? 宋先生に相談してみると、思いがけない答えが返ってきた。
膣内にオイルはおすすめしません。どうしてもオイルを使うなら、膣内ではなくデリケートゾーンに。そしてローションやクリームと混ぜて、乳化させてから塗ってほしいです。直接塗ると、油分過多になって湿疹ができてしまうことがあります。
コメント: 宋美玄先生
会陰マッサージも、膣ケアとは関係ありません。会陰マッサージは、産後の痛みを緩和するために行うもの。妊娠後期で出産を控えた女性なら、定期的にマッサージをしてみてもいいでしょう。
コメント: 宋美玄先生
「膣ケアはこれだけでOK」女医がすすめる方法は?
「自分の体にコンシャスになったほうがいい」というけれど、手間ひまをかけることが、必ずしも正しいわけじゃないみたい。最後に、宋先生が推奨する膣ケアの方法を聞いてみた。
膣内は自浄作用が働くため、必要以上にケアしなくてもいい場所です。膣内に自分でふれるのは、タンポンや月経カップを入れるときか、マスターベーションのときだけ。膣外側のデリケートゾーンは、刺激の弱い専用の石けんで洗って保湿してください。
コメント: 宋美玄先生
膣は女性にとって大切な場所。とはいえ、ケアしすぎるのは禁物。巷で聞くウワサ話やトレンドに惑わされずに、加齢による自分の体の変化を観察しながら上手に付き合っていきたい。
取材協力/産婦人科医 宋美玄
骨盤底筋など膣を支える筋肉が衰えることによって、膣がたるんだり、尿漏れしやすくなったりしますね。膣の粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなることも、老化現象として挙げられます。
コメント: 宋美玄先生