10代の頃から、十数年付き合い続けてきた生理。「生理中◯○をしてはNG」なんて、さまざまな情報が飛び交っているけれど、真偽を確かめずに鵜吞みにしてしまっていることも多いはず。
生理中の過ごしかたで、とくに意見が分かれるのが入浴方法。生理中、お風呂に入るときはどんなことに気をつければいい? 産婦人科医の宋美玄先生に、生理中の入浴に関するあれこれを聞いてみた。
入浴時、洗っていい範囲はどこからどこまで?
生理中にデリケートゾーンを洗うと、ボディタオルが真っ赤に染まってしまうこともあり、慎重になりがち。逆に「膣の中まで清潔にしなければと思って、ゴシゴシ洗ってしまう」というひともいるみたい。生理中の体の洗い方で気をつけることは?
生理中も、浴槽に浸かるのは問題なし
「経血の量が多い2日目や3日目は、なるべくお風呂に浸からないほうがいい」と信じているひとは多い。お風呂のお湯が汚れたり、膣にバイ菌が入ったりしないか気になるけれど、お風呂に浸かること自体は問題ないと宋先生は言う。
入浴中は水圧が働き、膣から血液が出てきにくい状態になります。だから、生理中に長湯をしたり半身浴をしたりしても基本的には問題ないです。ひとによっては、お湯に長く浸かっているほうが、生理痛が緩和されるというひともいるでしょう。
コメント: 宋美玄先生
ただし、入浴中は必ずしも経血が出ないというわけではないみたい。量が多い場合は、水圧で押さえきれずに出てくる可能性もあるそう。
経血は水圧によって、子宮から膣に出て溜まります。膣から外に出てこないだけで、血が止まっているわけではないんです。浴槽から上がって体を洗っているときに、血が大量に出る経験をしたことがあるひとも多いでしょう。温泉やスパなど公共のお風呂に入る場合は、タンポンか月経カップを使うのが安心ですし、マナーですね。
コメント: 宋美玄先生
お湯の温度も、過敏になりすぎないのが◎
「生理中は、38℃〜40℃くらいのぬるめのお湯に浸かるのがいい」と言われるいっぽうで、「生理中は冷えを感じやすいため、熱いお湯のほうがいい」という話も耳にする。実際のところ、生理中のお風呂の適正温度はあるの?
普段と同じように、好みの温度で大丈夫です。生理中にプールに入ってもいいのだから、ぬるめのお湯でも問題ありません。子宮や卵巣の冷えを気にするひともいますが、それらを包む骨盤は、体の中で体温が最も安定している場所。手足の先が少し冷えたくらいでは、子宮や卵巣が冷えることはないんですよ。
コメント: 宋美玄先生
体を大切にするのはいいことだけれど、皆さん、ちょっと過敏になりすぎていますね。
コメント: 宋美玄先生
「自分の体を愛そう」「体をもっと大切にしよう」と考えるのはいいことだけれど、情報を取り入れすぎると、過敏になりすぎてしまう場合も。
生理中も、快適に過ごしたいなら、“いつも通り”を心がけることが大切と心得て。
取材協力/産婦人科医 宋美玄
膣の中は洗わないでほしいけど、外陰部全体はきちんと洗いましょう。血液をそのままにしておくと、かぶれてしまう可能性があります。洗うときは、デリケートゾーン専用の弱酸性ソープを使用してくださいね。
コメント: 宋美玄先生