これまで、日本各地で多大な被害をもたらしてきた災害。
今後も、南海トラフなどの地震が来るといわれているなか、いったい何から備えればいいのか。“もしものときの生理”について、ちゃんと考えてる…?
阪神大震災を経験した産婦人科医の宋美玄先生は、救援物資としての優先度が低くなりがちな「生理用品」が意外に盲点であることを教えてくれた。
「贅沢品だ」「不謹慎だ」と騒がれていた、あのニュース…
以前SNSで話題になっていたのが、被災地に届いた生理用品を「贅沢品だ」「不謹慎だ」といわれ廃棄されたというケース…。私たち女性にとっては必要不可欠な消耗品で、衛生用品。おむつと一緒で、なくては困るもの。
もちろん理解してもらうのが一番だけれど、女性たちは自身で用意しておくことも大切なのかも。
もしものときの生理時のために、選択肢を知っておく
そこで、宋先生が知っておくと災害時に役に立つアイテムを教えてくれた。
ナプキン以外にも、こんなに! 知っておきたい便利アイテム
まずは、妊活中ではないひとや、生理トラブルを抱えているひとにおすすめの方法。生理を遅らせたり止めたりできるので、生理用品が手元にない状況でも焦らずに過ごすことができる。
その1:約5年間、効果が持続する避妊具「ミレーナ」
子宮の中に入れる避妊具で、病院で一度入れると効果が5年間持続します。避妊効果もあり、過多月経(月経量が多いひと)や月経困難症には健康保険が適用されます。生理が軽くなったり止まったりするので、災害時はもちろん日常でも快適です。
コメント: 宋美玄先生
その2:生理日をずらせる「低用量ピル、ミニピル」
経血の量を減らしたり、生理日を先延ばししたりとコントロールが可能です。避難する時に持っていく必要があるので、もし貴重品を持って避難できるような状況の場合は、携帯しておくと助けになります。病院で処方してもらい、指示された通りに服用しましょう。
コメント: 宋美玄先生
その3:最長12時間装着可能な「月経カップ」
膣の中に装着するシリコン製のカップ。経血を体内で受け止めるから外に漏れづらく、最長12時間装着できます。慣れるとつけていることを忘れるくらい快適です。
コメント: 宋美玄先生
もちろん、ナプキンを災害のときのために用意しておくのも◎。
下着の替えが少ない災害時、ナプキンを敷いておくことで下着への汚れを減らすことができるから便利。
限られた状況で乗りきるために「タブー感」は余計
そもそも日常で、大なり小なり生理に対するタブー感があるのかもしれない…。
ピルの普及率は諸外国に比べて低いですし、外陰部や膣など自分の体の一部に対するタブー感も強いようで、タンポンやカップには抵抗がある人も多いと思います。
ですが、これらを選択肢として持っておくことは限られた状況でサバイブしなければいけない時には不利にはならないと思います。
被災されている方の元へ、必要な衛生用品が滞りなく届くことを願いつつ、“もしものとき備え”について、いま一度考えておくことが大切といえそう。
取材協力/産婦人科医 宋美玄先生
生理用品が足りなくなるかもしれない不安は、おそらく多くの女性が体験したことがあると思います。布などで代用するという手もありますが、再利用できる状況ではないかもしれません。生理に備えて使えるアイテムや選択肢は多いほうが安心ですね。
コメント: 宋美玄先生