痛みや不快感と戦いながらやり過ごす、月に一度の生理。でも、もしすぐに妊娠を考えていないひとたちのなかには、20代から低用量ピルを飲んでいるひともいる。とくに女医の世界にはピル愛用者が多いそう。産婦人科医の宋美玄先生も、その一人。そこで、ご自身のピル体験談を聞いてみると…。
20代の研修医時代は激務で、しばらくは妊娠・出産は無理だろうと思っていたという宋先生。ならば、その時期に排卵して生理になる必要はないと考え、低用量ピルを飲み始めたそう。
激務だったからこそ、ピルで生理をコントロール
月に一度のイライラや痛み、不快感を軽減することはもちろん、低用量ピルを飲んでいる間は排卵がストップする。その間に子宮や卵巣を休ませることができ、経血量も少量で済む。女医さんにピル愛用者が多いのは、そういった医学的メリットを知っているからなのかも。
20代から34歳までピルを愛用し、翌年妊娠
宋先生は27歳~34歳まで低用量ピルを服用し、止めた翌年に妊娠。
「ピルを飲むと、将来妊娠しづらくなる」という根拠のない誤解もあるなか、まさにご自身でピルによる効果を裏づけたといえる。
通常の生理って「建設と破壊」なんです。子宮の中に受精卵が着床するための内膜を作り、妊娠が起きなければそれが剥がれ落ちて「生理」が起こります。この回数が多いほど、体にとっては負担です。私はピルで無駄な排卵を抑え、カラダへの負担を軽くしていたこともあって、授かりたいタイミングで妊娠することができました。
コメント: 宋美玄先生
痛みや辛さをがまんするよりも、子宮を酷使しない生活こそ“自然”。授かりたい時期が訪れるまで健康な子宮を保つためにも、低用量ピルの役割は大きい。
主症状や服用期間、相性によって「合う」ピルを見つけて
ちなみに、低用量ピルはひとによって「合う・合わない」がある。宋先生にとって相性が良かったのは第一世代のみだったそう。産婦人科では、いま抱えている悩みや症状、飲む期間といった希望を総合的に判断して処方してくれる。
ピルには古い第一世代から第三世代まで種類があります。たとえば生理痛が辛いという方には、子宮内膜の発育を抑える第一世代の「オーソ」をすすめます。肌荒れやニキビがあるひとや、主訴がない場合は第三世代の「マーベロン」から試すことが多いです。
コメント: 宋美玄先生
世界中で、多くの女性たちが愛用しているピル。時期的に、“結婚や出産”を選ばない女性も多い時代だからこそ、医療の手を借りて健康管理をしてほしいと宋先生。重い生理や痛みなど「疾病(しっぺい)」と向き合う第一歩は、産婦人科に相談すること。
面倒くさがらずに、アクションを起こすことで、悩みを一つ減らせるかも。
取材協力/産婦人科医 宋美玄先生
そもそも、体が赤ちゃんを迎えるスタンバイをするのが生理です。だから、いまが産みたい時期ではないのに「生理から逃れられない」と我慢する必要はないんですよ。低用量ピルでコントロールすれば、毎月の苦しみは改善することができます。
コメント: 宋美玄先生