モデルや芸能人が愛用する“オーガニックシャンプー”は、おしゃれで魅力的。石油系シャンプーは化学物質が多いし、体に入ることで、子宮がんや卵巣がんの原因になるって話も聞いたことが…。でも、それって本当? 産婦人科医の宋美玄先生に聞いてみた。
石油系のケミカルシャンプーは子宮に影響がある…?
石油系シャンプーで羊水が泡立つ、子宮からシャンプーのニオイがする、または婦人科系疾患の原因になるなど、そういった説は経皮毒ビジネスによるニセ情報だと宋先生。これまでたくさんのお産に携わってきた産婦人科医として、羊水から臭いなどを感じた経験はないと断言する。
有機栽培の野菜だったら、すべてにおいて安心・安全?
有機野菜だから安全安心ということではありません。虫に食われている可能性もあるし、きれいに洗わなければ感染することもあります。昔の時代や、今でも衛生的でない国で暮らす人々は、多くが感染症で亡くなっています。安全で清潔なのが当たり前だからこそ、化学物質に過度な不安を抱いてしまうのですが、本当は感染症の方が怖いんですよね。
コメント: 宋先生
なぜ農薬や添加物が入っているのか…? 根本を考えると、不使用の食材はリスクが高いともいえるかも…。無自覚が引き起こす「無農薬・無添加だから良質」の考えは、宋先生いわく“体の平和ボケ”と一喝。
やっぱり、コスメ用品はオーガニックにするべき?
オーガニックは魔法ではありません。例えばオーガニックコットンで作られた布ナプキンで子宮の病気が治るとうたっているものもありますが、完全に眉唾です。それを使って何か変化や効果があったというなら、それはプラセボ効果(心理的な効果による不調の軽減)なのではないでしょうか。それにオーガニックコットンだって、化学洗剤で一度洗えば、もうオーガニックじゃなくなってしまいます。
コメント: 宋先生
「オーガニック」と書かれているコスメの中にも、実は化学物質が山盛りの製品が多いと宋先生。自然で心地よい製品だと、私たちがただ思い込んでいるだけ…?
もちろん、ていねいにつくられたオーガニック製品があることは事実。ただし「オーガニック」と書いてあれば、すべてが良いというのは幻想…。イメージや表示に惑わされないように、私たちも見る目を磨いていきましょ。
取材協力/産婦人科医 宋美玄先生
そんなの全部ウソですよ。化学物質はコワイなどと、漠然とした恐怖心をあおる「経皮毒(けいひどく)」という有名なデマが広まっているせい。化学物質が体内に溜まるなんてありえません。
コメント: 宋先生