【#16】「それもSNSの醍醐味じゃない?」友人の情緒不安定な"病み投稿"が気になる理由

大人の女としての華麗なSNSスルー術を、ケースごとに学んでいく連載「大人のSNS処世術」。

第16回目は『病み投稿』のお話。

Instagramで、ときどき見かける“病み投稿”。ポエティックなモードに入るのはいいけれど、内容がネガティヴすぎるのはいかがなものか。SNSというツールで全世界に心の“病み”を発信する友人に、貴女ならそんな反応を返す?

人の恥部が見えるのもSNSの醍醐味? “病み投稿”を上手に受け止める方法

- 今回のご相談 -
『Instagramで“病み投稿”をする女友達がいます。もともとかまってちゃんな性格で、誰かに見てほしいのだろうけれど、もう年齢も年齢だし「そろそろやめなよ」と思いつつ何も言えません。ハッピーな気持ちの時に不快感に巻き込まれてちょっとうんざりです...。』

N子(31)のInstagramには友人・S美の病み投稿がたびたび流れてくる。時間は決まって夜中過ぎで、情緒的な花や景色の写真に「誰も助けてくれない」などの病んだテキストが添えられている。最初のうちは心配していたが、病み投稿は止まらないし、自分の気持ちまで暗くなって、徐々に不快感を感じるようになっているN子。S美は誰にどうしてほしいのだろう。意味のない夜中の病みポエムは正直もうたくさんだ。

そんな“病み投稿”に対する、ブルボンヌさんの考えとは?

ブルボンヌ:「病み投稿」ってエグいネーミングだけど、確かにその通りのものをSNSではよく見かけるわよねー。
まあ、人間だもの。根っからの能天気でなければ、イヤなことが続いてメランコリッ子になることもありゃ、「アタシ、何のために生きてるんだろう」くらいの哲学入っちゃうこともあるわよ。

とくにSNSの投稿の場合、リプの交わし合いみたいなコミュニケーションじゃなければ、世界に一方的に呟いてるだけ、なんとなく一言添えてみただけー、みたいなテイで発信できるからついついポエマー化しちゃうことも。実際アタシも、静寂が身に染みる丑三つ時には暗い呟きとかついついしてきたわ…。

そりゃ普段、色味のきっついスイーツ自慢とか、SNOWで動物化した自分とかをアピールしまくってるコが、急に真剣(マジ)な横顔写真で孤独を語り出しちゃって、その上日本語が微妙に間違ってたりしたら、失笑よ。「いい年こいてやめとき」って内心思うのも分かる。けど、SNSってそういう「おいおいな一面」が流れ出ちゃうのも醍醐味じゃない?

個人的にはむしろ、人のイタイところ、ドロドロした面が、こぼれ出る時のほうが、「見せてもらった!」感あるんだけどね。弱み握るとまでは言わないけど、ニヤニヤしときゃいいじゃん。アタシはネット上ではとりあえず見るだけ見といて、そのコとリアルで会った時とかに「あんたの深夜の鬱ツイート、うけるわー」なんて突っ込むようにしてるわ。 

多分、あなたはその子自体が好きじゃないのよね。もともと好きじゃない子が暗いかまってちゃんアピールしてたら、そら「ウザっ」ってなるもん。

でも本当にウザいのは、そんな好きでもない子のフォローをして、直接「病みすぎヤバい!」ってツッコむほどの関係も持てず、かと言ってフォローも外せず、「アタシのハッピー気分を不快にされてうんざり」とか言ってるアナタのほうかもね〜。

SNSのタイムラインにどんな人のどんな言葉や写真が並ぶかは、ぜーんぶあなたがチョイスした結果なんだから。その子のかまってちゃん信号や病みオーラにうんざりするなら、表示されないようにすりゃいいんだもん。SNSに、自分のどの面を切り出すかは自由。あえてネガティブな部分を強調する炎上商法だって効果的なメディアなんだし。あとは、それを楽しみたい人がフォローすりゃいいんでしょ。鬱だらけ暴言だらけの、「私、私」な発信の山の中から、何を選んで見とくかってのがSNSのタイムラインなのよ。

本気の心配も笑ってツッコむこともできない鬱な相手を、フォローしたのは自分。その程度の相手に対して、フォローを外すこともしづらい中途半端なお付き合い意識を持ってるのも自分。あなたのうんざりは、あなたが設定したものだったってことよ〜!

「病み投稿のせいで、現実での彼女にまで嫌悪感を感じてしまっていたかも…」と気づいたN子。SNS上のS美が嫌なのであれば、フォローを外せば済むこと。現実の彼女と、今度ゆっくり話をしようと思ったN子だった。

今回、お悩みにお答えいただいたのは、女装パフォーマー/ライターのブルボンヌ氏。
メディア・イベントへの出演・連載をはじめ、新宿2丁目のMIXバー『Campy! bar』ではプロデューサーとして、また女装パフォーマー集団『Campy!ガールズ』のメンバーとして多方面で活躍している。

今回のSNS処世術、いかがでしたか? ブルボンヌさんのSNS時代を生き抜くヒントをしかと受け止めて、良い女度をあげていきましょう。

text : by.S編集部

Edited by by.S 編集部

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