最近、注目度が増している「腸活」。腸内環境が改善されるとどんなメリットがあるのかを知って実践すると効果倍増。そこで、自身でもダイエット経験がある管理栄養士の高杉保美(ほみ)さんに腸活ダイエットのやり方を教えていただいた。ダイエット効果が出やすい簡単腸活レシピもご紹介。
そもそも腸活ダイエットとは?
腸は第2の脳と言われるほど重要な部分。腸内環境に問題があると代謝が正常に行われなくなるので、痩せにくいだけでなく、病気の原因にもなり得る。
腸内環境を整えるとデトックス効果が高まるのでダイエットにつながる。老廃物を溜め込まずに代謝がスムーズになれば、基礎代謝も上がって痩せやすいカラダになれるというわけ。腸内環境が整うと自律神経も整い、ダイエット効果が出やすくなる。
腸内細菌がうまく活動しているとビタミンB群やセロトニンなどダイエットに必要な栄養素やホルモンが腸内で生成される。
また、腸内が汚れているとせっかく栄養価の高いものを食べても栄養が吸収されにくくなってしまう。
日々の生活やストレスなどさまざまな原因で腸内環境は乱れがち。継続的に腸内環境を改善していくことがダイエットにも健康なカラダの維持にも必要となる。
ダイエットに必須!腸内細菌の黄金バランス
腸内環境を整えることとは腸内細菌を理想の割合にすること。腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があり、この3種類のバランスが大切。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7が理想的と言われている。日和見菌は善玉菌と悪玉菌の多い方と同じ性質を持ってしまう。悪玉菌が善玉菌よりも増えると日和見菌は悪玉菌と同じ働きを持ってしまい、腸内環境が乱れることにつながる。日頃から善玉菌を増やすような食生活を意識するのが良い。
腸内細菌を育てるにはどうしたら良い?
腸内環境を整えてくれるものとして大きく「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」のふたつがある。
「プロバイオティクス」とは乳酸菌や発酵食品などの善玉菌を増やす働きをするもの。「プレバイオティクス」とは善玉菌の増加をサポートするもので、食物繊維やオリゴ糖などが該当する。
「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」どちらも普段の食事で積極的に摂取することが善玉菌を増やして腸内環境を整えることにつながる。
実は、不足しがちと言われているたんぱく質だが、逆に摂りすぎてしまうと腸内環境が悪くなりやすい。その場合、食物繊維やオリゴ糖といった善玉菌のエサとなって善玉菌を増やしてくれる食材をより意識的に摂取する必要がある。
食事以外に睡眠も腸内環境を左右する。自律神経が乱れると腸の働きが鈍ってしまうので、充分な睡眠を取ることも大事。
腸内細菌を育てるために摂っておきたい食材・栄養素
食物繊維
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類あり、どちらもバランスよく摂るのがポイント。不溶性食物繊維は果物や芋類、野菜、海藻類に多く含まれている。水溶性食物繊維が多い食品は大豆などの豆類、ごぼう、穀類、きのこ類などがある。
プロバイオティクス(発酵食品)
先ほども出てきたが、プロバイオティクスである納豆、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品を継続的に摂るのもおすすめ。発酵食品はデトックスの働きが高まる朝に摂ると良い。
乳酸菌
乳酸菌が豊富なヨーグルトも腸活のために1日1〜2回摂っておきたい。
オリゴ糖
オリゴ糖が含まれるバナナや根菜類も摂っておこう。味噌は発酵食品なので、ごぼうやにんじんが入った味噌汁などが手軽で食べやすい腸活フードと言える。ダイエット中とはいえ、おやつが食べたい時にはオリゴ糖入りのチョコレートがあるので、普通の砂糖が入ったものよりは腸活に良い。
ビタミン類
善玉菌を増殖させるのにビタミン類が不可欠。ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB6が含まれる食材やサプリメントを摂ることが重要。
また、いま流行のオートミールも食物繊維が豊富でビタミン類も含まれるため腸活にぴったりな食材。
オレイン酸
オレイン酸も腸内環境を整えるのに良いので、オリーブオイルやナッツ類、アボカドも適量摂ることを心がけて。
簡単・美味しい!腸活レシピ
アーモンドヨーグルト
<材料>
プレーンヨーグルト 150g
オリゴ糖 大さじ1
アーモンド 5〜10粒
<作りかた>
プレーンヨーグルトにオリゴ糖と砕いたアーモンドをかける。
きのこレモン醤油
<材料>
お好きなきのこ 100g
オリーブオイル 小さじ1
醤油 小さじ2
レモン汁 小さじ1
<作りかた>
①フライパンにオリーブオイルを熱して、きのこを炒める。
②きのこに火が通ったら、調味料で味付けして完成。
きのこは食物繊維が豊富なので、お好きなきのこを2種類くらい合わせて作るのがおすすめ。おつまみにも副菜にもぴったりです。
コメント: 高杉保美さん
アボカドとろろ昆布
<材料>
アボカド 1/2個
とろろ昆布 お好きな量
<作りかた>
①アボカドは皮をむき半分にカットしてから食べやすい大きさに切る。
②とろろ昆布をのせて完成。
とろろ昆布に塩味があるので、切ったアボカドにとろろ昆布をのせるだけでOK!
コメント: 高杉保美さん
海藻きのこごぼう入り味噌汁
<味噌汁>2人前
水 500mL
顆粒だし 小さじ2
味噌 大さじ3
海藻類 適量
きのこ類 適量
ごぼう 1/4本
<作りかた>
①水を沸騰させたら、顆粒だしを入れてから味噌を入れる。
②ごぼう、海藻類、きのこ類を入れて火が通ったらでき上がり。
味噌汁は具材によってアレンジがしやすいので飽きずに毎日食べられますね。腸活には食物繊維が多い具材をチョイスしましょう。海藻類やきのこ類、ごぼうを入れれば水溶性も不溶性も両方の食物繊維を摂取することができます。味噌汁があまってしまったら、オートミールを入れると簡単に朝ごはんのオートミールリゾットができるので手軽です。
コメント: 高杉保美さん
トマトジュース根菜スープ
<材料>
トマトジュース 500mL
塩 少々
オリーブオイル 少々
ごぼうなどの根菜類 適量
<作りかた>
トマトジュースを加熱して顆粒コンソメを加えたら、そこに根菜類を投入。野菜に火が通れば完成。
根菜類で食物繊維が摂れる上に、食べごたえ抜群のスープです。トマトに含まれるリコピンは抗酸化作用があるので、美肌やデトックス効果が期待できます。
生のトマトよりもトマトジュースの方が栄養価が詰まっている場合があるし、スープにするのも手軽なのでおすすめ。
オリーブオイルは腸活に良いのはもちろん、リコピンの吸収を助ける働きもあります。味が物足りない人は顆粒コンソメを追加してみて。
コメント: 高杉保美さん
食物繊維、発酵食品、乳酸菌などの食品を意識することが腸活の第一歩。毎日の腸活で溜め込まない痩せ体質に生まれ変わろう。ダイエット効果だけでなく、健康にも美肌にもいいことばかり。今回紹介した腸活レシピは簡単で毎日続けやすいものなので、さっそく今日から腸活を始めてみては?
今回紹介した「腸活ダイエット」以外のダイエットについてもっとくわしく知りたいひとは、高杉保美さんの著書『ずぼら管理栄養士が教える ずるやせダイエット』をチェック!
『ずぼら管理栄養士が教える ずるやせダイエット』高杉保美(WAVE出版)
取材協力/管理栄養士 高杉保美
乳酸菌たっぷりのヨーグルトにオリゴ糖をかけることでプロバイオティクスとプレバイオティクスが同時に摂れるのがいいですね。アーモンドでオレイン酸も摂取できます。
コメント: 高杉保美さん