世界中の美女が集うミス・ユニバースで重要視されていることは、外見的な魅力だけでなく、知性・感性・人間性・誠実さ・自信などの内面的な魅力。具体的にどんな女性が魅力的だと思われるのか、漠然としていてわかりづらい...。
そこで、美のプロフェッショナル、2008・ミス・ユニバース・ジャパンでミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクターの美馬寛子さんに、女性としての魅力について質問。内面の魅力の大切さ、魅力を高める具体的な方法について教えてもらった。
オーディションで重要視している“素質”とは
元ミス・ユニバース・ジャパンで、現在はナショナルディレクターとして日本代表の候補生たちと関わる美馬さん。長年、世界の最前線で美と向き合ってきた賢者が考える女性の魅力とは。
コミュニケーション力はリーダーシップをとる上での基本ですし、自分の意見や情報を世の中に示していくのに発信力が必要です。考える力は、あらゆる情報がある中で自分やチーム、グループにとって何が必要なのか、どう行動していくかを取捨選択する力です。また、独自のリーダー性を発揮するためにも「自分がどうあるべきか」そして「自分の個性・強みとは何か」を考えることも求められます。
個性の力は誰かの真似事ではなく、「自分だからできること」「自分が世の中に提供していけること」を理解して、そこを伸ばしていけることです。これらの力をトレーニングで伸ばしていきますし、その素質があるかをミス・ユニバース候補生のオーディションでみています。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
他人と比べて自信を失ってしまうひとは多い
「あのひとのほうが美人」「あのひとのほうが細い」「あのひとのほうがモテる」など、他人と比べて自信を失ってしまった経験はない? 誰かの決めた物差しに自分やひとを当てはめるのはやめよう、と思ってもなかなか難しい。そんなときこそ、考えかたを変えることが重要!
誰しも、周りのひとと自分を比べることがあるかと思います。比べた結果、自信が持てなくなってしまう、という話をよく聞きますが、ひとと比べて違うからいいんです。
ただし、ひとと違う部分を押しつけることは別問題です。例えば、AとBの選択肢があり、自分以外のひとがBを選んだけれど、自分はAがいいのでただそれをひとに押しつけるのはリーダーシップとは言えません。そこで「自分はAを選んだ理由を、Bを選択したひとたちにどう説明しようか」と考えることが重要です。それが個性なんですよね。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
さらに、「自分がAだからAでなければいけない」ではなく、Bを選択したひとたちの意見を聞いて流されるわけではなく、その意見を受け入れる力も大切だと思います。
日本は協調性を重んじる文化が根づいていますから、「ひとの意見を聞き入れる」「空気を読む」ことができるひとが多くいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、周りのひとがBと言っているから、自分はAを選択したいことを言わずにBに流されることもよくないと思います。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
自分の個性を認めながら、ひとの意見を聞いて周りのひとも受け入れていくこと。そのために必要なのは「ひとと自分とは意見が違って当然なのだ」というベース。
同じ親から生まれて同じ家に住み、毎日大体同じものを食べている兄弟・姉妹でさえ、考えかたや意見が違うので兄弟ゲンカが起きますよね。周りと意見が合うこともありますが、生まれ育った環境が違うひとと意見が食い違うことは悪いことではなく、当然なんです。
ただ、大人になればなるほど“周りとの違い”に関する葛藤が強くなる傾向があるようです。学生時代は地域が限られていたり、大体似たような暮らしをしてきていますから、周りと大きな差は生まれにくいです。大学でさえ自分が選択した学部やサークルで過ごしますから、興味が似たひとが周りにいるんです。
社会に出て、先生や親と言った指導者がいなくなったとき、周りとの大きな差を感じるかたが多いと聞きます。
そこで「生きてきた場所も環境も違うんだから、違っていいんだ、当然なんだ」と理解できると受け入れられると思いますよ。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
学生時代の友人って、育ってきた環境が似ていますし、一緒にいて気楽なんですよね。けれど、就職したり、結婚したり、子どもができたりと、ひとそれぞれ歩む道が違っていきます。そこで「みんながどんどん離れていって、自分はひとりぼっちだ」と感じるかたもいるようです。
このときに重要なのは、過去のコミュニティにすがりつくことではなく、新しくコミュニティを開拓していくことです。どういったコミュニティに属することが自分にとってプラスなのか、を考えてみてください。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
コミュニティをどう自分で探したり作っていくことが重要、とのことだけれど、具体的にどう探したり作ることができるのか。その鍵となるのは「自分を知ること」なのだそう。
コミュニティを開拓するうえで重要なことは、自分は何が好きで、どんなひとなのか、つまり個性を理解することです。何かをする動機が自分軸ではなく「流行っているからやる」だと、無理をすることになり、ストレスにつながります。
自分は発信するリーダータイプではないな、ということも理解できれば、「情報を集めよう」という行動に移ることができるでしょう。そこで、何かを発信しているひとの意見や考えを聞いて、自分がそこに属するのか、それとも他のコミュニティに行ったほうがいいのかを「考える力」は必要だと思います。
無理をすることなく素の自分でいられる場所を、自分で吟味してみてください。勇気を持ってコミュニティに飛び込んでみて、「違うな」と思ったらそこから抜ける力も必要です。「せっかく入ったから」と、やめたいのに無理にがんばる必要はありません。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
美人って三日で飽きちゃうんです
「外見的な美しさだけでなく、知性・感性・人間性・誠実さのほか、コミュニケーション力や社会貢献や国際交流なども必要」と話す美馬さん。具体的に「魅力的だな」と感じるのはどんな女性なのか。
ミス・ユニバース・ジャパンを経験し、現在も携わっていますから、外見が美しいことはとても素敵なことだと思っています。けれど、“外見が美しいひと”ってたくさんいて、美人は3日で飽きちゃうんです。外見はお化粧やダイエット、ファッションである程度どうにかできても、年齢を重ねると肌や髪も変化をしていきます。そんな外見に囚われるよりも、内面の魅力を磨いていくことのかたが人間として大切ではないでしょうか。
周りのひとが人間としてどこをみているかって、肩書きや外見ではなく“内面”なんです。とくにミス・ユニバースは外見が美しいひとだけが集まる大会ですから、内面がないと全く評価されません。びっくりするようなスタイルの持ち主や、ため息が出るほど美しい顔のひとが大勢いるなかで評価されるのは、脚の長さや顔の造形でもなく、内面から出てくる魅力です。具体的に、魅力があるか否かは「明日も会いたいかどうか」ですね。
内面は1日や2日でできあがるものではなく、長い時間をかけて培うものなので、すぐにでも内面を磨く努力を始めることがおすすめですね。外見だけにとらわれていると、50代・60代・70代になっても若い女性と自分を比べて苦しくなっていくだけだと思いますよ。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん
外見を美しく保つ努力も大切だけれど、年齢とともに変化する肌の美しさや脚の長さでひとや自分の魅力をジャッジすることはナンセンス。それよりも自分と会ったひとが「明日もあなたと会いたい」と言ってくれるような、魅力あふれる女性を目指すことのほうが、長い人生を考えたときに財産となるはず。
ありのままの自分で過ごせるよう、自分の個性を知り、自分が心地よく過ごせるよう考え、行動してみて。ぜひ美馬さんの提唱する女性としての“4つの力”を参考に!
取材協力/ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子
ミス・ユニバースという枠ではなく、私が重要視している女性としての“4つの力”があります。
1つが「コミュニケーション力」、2つめが「発信力」、3つめが「考える力」、4つめが「個性の力」です。ミス・ユニバースが目指すところは“女性のリーダシップ”のとれる女性”であり、そこで必要となるのがこの4つの力だと考えています。
コメント: ミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクター 美馬寛子さん