妊活脱毛・アスリート脱毛・ハイジ男子…「脱毛最新トレンド」を全解説!

電車内の広告をちらりと見回すと、まっさきに目に入るのは脱毛サロンの広告の数々。その需要が老若男女に広がっていることがうかがえる。医療脱毛専門院「リゼクリニック」の新宿三丁目院院長の大地まさ代医師に、脱毛の最新トレンドとその背景、それぞれのメリットについて解説していただいた。

脱毛最新トレンド5選

数年前までは主に「女性の肌見せのため」だった脱毛が、昨今は多様化。さまざまな価値観から生まれた最新トレンドとは?

妊活脱毛

出産を希望する女性が、妊娠中や出産、産後の手間やリスクを回避するため、妊娠前にVIO脱毛を始める妊活脱毛」。そのメリットは、大きく2つあるという。

まずひとつは、産後の出血「悪露(おろ)」による雑菌の繁殖を防ぐためです。

コメント: 大地まさ代医師

悪露とは、出産時に剥がれ落ちた胎盤や子宮内膜が混じった分泌物や血液のことで、産後、生理のような出血が1ヶ月ほど続くこともある。臭いが強く、こまめにナプキンを変える必要がある、が。

産後は赤ちゃんのお世話に忙しく、自身のケアが疎かになってしまいがち清潔にしていないと、菌の増殖による感染症や臭いがきつくなるなどの症状が起こることがあります。これらを防ぐため、アンダーヘアの脱毛をしておくことが有効なんです。

コメント: 大地まさ代医師

そしてもうひとつが、会陰(えいん)切開時の傷からの感染症を防ぐため
出産の影響で会陰部(肛門と膣口の間)が裂傷することを防ぐため、あらかじめ会陰部を切開する処置を「会陰切開」。出産後に縫合するものの、この傷は1ヶ月ほど続くといわれてるという。

そのため、傷口から感染しないように皮膚を清潔な状態にしておくことが大切アンダーヘアがないと、傷口の消毒などのお手入れもしやすくなるんです。
ちなみに、妊娠中や授乳中は専門機関での脱毛ができません。だから妊娠前の脱毛がポイントなのです。

コメント: 大地まさ代医師

こうした背景から、将来的に妊娠を考えている女性のなかで、妊娠前のVIO脱毛希望者が増えているそう。

介護脱毛

2017年にリゼクリニックが命名、初めて使用したという「介護脱毛」。その前年、大地医師が現場で感じた患者の年齢層の変化が、「介護脱毛」のきっかけだった。

当時、40代以降の患者さまがアンダーヘアの脱毛(VIO脱毛)をご希望されるケースが増加してることに気付きました。そこで17年1月、40~50代の女性330名を対象に「老後・介護に関するアンケート調査」実施。すると、「自分の老後を想定し、介護者の負担を軽くするため、毛が黒いうちにあらかじめアンダーヘアを処理してしまおうと考える」行動が浮かび上がったのです。

コメント: 大地まさ代医師

メディアで紹介されるようになったことで「介護脱毛」が認知された近年は、さらに老後に備えて脱毛する女性が増加傾向にあるほか、パートナーの勧めで脱毛する男性も徐々に増えているという。

アスリート脱毛

筋トレブームが円熟期を迎えてる昨今、プロ・アマチュア問わず運動愛好家たちの間で、「アスリート脱毛」が流行しているという。一見関係なさそうなスポーツと脱毛、実は深い因果関係があった。

流行している背景はさまざまあると考えてます。まずひとつは、パフォーマンス向上のため
摩擦などの抵抗を減らし、1分1秒でも記録を伸ばし、結果を出すためアンダーヘアや脇毛、脚の毛などを剃るアスリートが多いんです。
また、肌の露出の多いコスチュームを採用しているフィギュアスケートや水泳、バレエ、新体操などの場合、開脚やスピン時にアンダーヘア等が見えてしまわないかと気をとられ、プレーや技に集中できないのを防ぐために脱毛する選手もいるようです。

コメント: 大地まさ代医師

出典: 医療脱毛専門院『リゼクリニック』

そして、ケガなど外傷時の処置やテーピング時に体毛が邪魔だから、という背景も。

体毛の有無で、テーピングの密着感や巻きやすさに違いがでるようです。競輪選手やラガーマン、サッカー選手など、怪我の処置のために脚などの毛を脱毛するのは有名な話です。

コメント: 大地まさ代医師

さらに、肉体改造の成果・筋肉美を魅せる際、体毛をなくすことでさらに美しく見せるための脱毛が、もっともトレンドだそう。

近年、スマートフォンの進歩やSNSの隆盛により「個人が情報発信できる時代」となり、ネット上で鍛え上げた肉体美を「映え写真」として積極的に公開する男性が増加しています。
その主な要因は、コロナ禍における巣ごもりが及ぼした「コロナ太り」からの筋トレ需要の増加外出の減少と比例して自分の身体と向き合う機会が増えたこと外出における出費が自分の身体への出費(未来への自己投資・QOLの向上・自分磨き)に置き換わったことで、医療レーザー脱毛を開始する方が多くいらっしゃるように感じます。

コメント: 大地まさ代医師

ハイジニーナ脱毛

Vライン(ビキニライン)、Iライン(陰部の両側)、Oライン(肛門周囲)すべてのアンダーヘアを処理している状態を指す「ハイジニーナ」。名称の由来は「衛生・清潔」などを意味する英単語「hygiene(ハイジーン)」であることから、衛生意識の高さが背景にある。

VIOゾーンは非常に雑菌が繁殖しやすく、ニオイの発生源でもある。脱毛することで雑菌の温床をなくし、通気性が高まりVIOゾーンのニオイを軽減することが期待できます。

コメント: 大地まさ代医師

特に、多汗な時期や生理の出血時は非常に蒸れやすく、他の身体の部位に比べ非常に雑菌が繁殖しやすくなっているVIOゾーンにおいて、ハイジニーナは清潔キープに有効だそう。

ほかにも、水着などのおしゃれを楽しむためや、自己処理を繰り返すことによる黒ずみを軽減し、美肌効果をもたらすというメリットもあります。

コメント: 大地まさ代医師

かつては敬遠されがちだったハイジニーナ脱毛がトレンドとなったことには、こんな背景があるという。

価格競争により低価格で脱毛施術が受けられるようになったこと。レーザー脱毛が広く普及した上、脱毛機器の発展によりスピーディーで痛みのない施術が可能となったこと。昨今、メディアで「ハイジ男子」などの造語が紹介され、脱毛のメリットに触れる機会が増えたこと…などがあげられます。
こうした背景で、女性も男性も関わらず、医療脱毛に対する大衆の垣根が低くなり、手軽に「やってみたい」と考える方が増えたのだと思います。

コメント: 大地まさ代医師

ちなみに、ハイジニーナ脱毛への抵抗感について、大地医師は「人それぞれ」と話す。

出典: 医療脱毛専門院『リゼクリニック』

リゼクリニック新宿院に限った場合、無毛とデザイン脱毛の割合については、ほぼ半々くらいだと感じます。年齢が高い方は、温泉などの公共施設利用の際に人目が気になることや、白髪だけが残ると目立つことなどを気にされ、デザインを選択される方が多いようです。当院では、VIO脱毛時、「無毛」はもちろん、「逆三角形」や「I型」など、様々なデザインのご希望にも対応が可能です。

コメント: 大地まさ代医師

顔脱毛

気になる産毛を自己処理で済ませる女性も多い「顔脱毛」だが、プロの施術によりもたらされるメリットは数多い

出典: 医療脱毛専門院『リゼクリニック』

自己処理時の剃毛で気になるのは、カミソリ負けや肌荒れ。それが脱毛をすることで改善されます。くすみや黒ずみの改善、透明感アップ、化粧のりの改善も期待できます。

コメント: 大地まさ代医師

体毛はあり?なし? 脱毛の専門家の見解とは

ルッキズムへの懐疑を筆頭に、美の価値観の多様性がキーとなってる近年。脱毛からも多様性が垣間見えるという。

出典: 医療脱毛専門院『リゼクリニック』

昨今、男性らしさや女性らしさといった旧来の価値観や行動にとらわれず、美容に前向きな方が増え、年齢や性別問わず老若男女で「脱毛」に対する抵抗もなくなりつつあります
一方で美の在り方についても多種多様のなか、「毛がないほうがいいとする価値観って、どうなの?」といった声も多方面で聞かれるようになりました。
「体毛がない方が良い」「脱毛するのが当たり前」といった認識を普及するのではなく、常に患者さまの気持ちに寄り添い、「脱毛がしたい」と望む患者さまには「どこよりも安心で、正直な脱毛クリニック」として正しい脱毛技術とより良いサービスの提供に努めたいと私たちは思っています。

コメント: 大地まさ代医師

自分に必要なときに、必要なことを。それぞれのQOL向上のために、脱毛は多様化している。

取材協力 医療脱毛専門院「リゼクリニック」新宿三丁目院院長・大地まさ代医師
近畿大学医学部卒業後、近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科勤務。1992年に入都し、東京都福祉保健局疾病対策課長、港区保健所長などを歴任。2015年より全国で24院展開する医療脱毛専門院『リゼクリニック』の新宿三丁目院 院長に就任。30年以上、医師として培ってきた経験を持ち、セラピストやコスメマイスターなどの資格も持つ、美容のプロ。

クリニック情報:新宿三丁目院
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-17-4 新宿レミナビルB1F(受付)・B2F
0120-515-473

text : 有山千春

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by.S編集部

最新ファッション・美容情報に日々揉まれながら、美の修行中。プライベートではアート、ダンス、韓国、バンド…と個々に芸を肥やす、アラサー世代の編集部。
by.Sチャンネル「現場のスクショ話」で土曜日(不定期)配信中!

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