レチノールは、美肌を目指すならぜひ注目しておきたい成分のひとつ!たくさんの種類のレチノール配合化粧品が発売されているけど、正しい使い方や注意点までは、よく知らない部分が多いかも…。
そこで皮膚科専門医の土屋佳奈先生に、レチノールに関する疑問や人気の理由について取材した。
そもそもレチノールって?
そレチノールとは、ビタミンAの一種。
レチノールの特性は?
ビタミンAは、肌のハリを支えるコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進する働きのほか、皮膚のターンオーバーをサポートする作用などに期待されている。土屋先生のクリニックでも、ニキビや毛穴づまり、シミ、シワなどの幅広い悩みに、ビタミンAが処方されているんだって。
また市販の化粧品でいうと、レチノールはシワ改善の有効成分としてもおなじみ。
シワは、深く刻まれてからだと対処が難しいため、まだシワが気にならないうちからケアをはじめておくのがよいそう。化粧品では有効成分として “純粋レチノール配合”などと記載されている医薬部外品をチェックしてみよう。
効果が出るまでどれくらいかかるもの?
ついその実力に期待がふくらみがちだけど、ぬりはじめてからすぐに違いを実感できる?
これに対して「レチノールは使い続けてこそ魅力を感じられるもの」と、土屋先生は言う。特に化粧品は、劇的な効果を発揮するのではなく、ゆるやかに肌に働きかけるとされている。コツコツと地道なケアを続けることが、一番の近道と心得て。
レチノールを使う頻度は毎日でも平気?
さっそく普段のスキンケアに、レチノールを取り入れたくなってきた!市販の化粧品は特別な注意事項がない限り、基本的には毎日でも使用OKなものが多い。
ただし「肌の状態によって刺激を感じやすいときは気をつけて」と、土屋先生。特にはじめてレチノールを使う際には、週2、3度の使用にするなど、様子を見ながら頻度を調整することがおすすめされている。生理前は避けるなど、使用時期も工夫しよう。
レチノールの適量
次は、レチノールを塗る量。気になる肌悩みがあると、ついたっぷりぬりたくならない?
レチノールは、たくさんぬったからといって早く効くものではありません。適量でのケアを続けることが大切です。
コメント: 土屋佳奈先生
短期戦ではなく、じっくり継続してきれいを目指すイメージを持っておくと、スキンケアが楽しくなりそう。使用アイテムの適量は、化粧品ラベルなどに記載されている量を参考にして。
レチノールを使う順番
せっかく人気のレチノールを取り入れるなら、できるだけその魅力が発揮できる使い方を心がけたい。レチノールを塗る順番の正解を、土屋先生にうかがった。
油溶性のレチノールは、クリームや美容液に配合されているものが一般的。たとえばクリニックで処方するトレチノインは、化粧水や乳液のあと、スキンケアの最後に塗るのが基本です。
コメント: 土屋佳奈先生
市販化粧品に関しては、メーカーがおすすめする順番を守るのがベスト。トラブルを避けるためにも、アイテムごとの使用方法を確認しよう。
また化粧水のあとにレチノール製品を使う際は、化粧水が肌になじんだのを確認してから。手のひらに肌が吸いつくような感覚を目安にするとわかりやすい。レチノールを塗るのはそのあとがグッドタイミングなんだって。
組み合わせOKな相性のいい成分
レチノールの使い方がわかったところで、気になってくるのはレチノールと相性のよい成分!なにやら“ビタミンC×ビタミンA”、それぞれのアイテムによる合せ技も話題みたい。
メラニンの生成抑制に働きかけるとされるビタミンCと、抗シワ有効成分でもあるレチノールのタッグは、美白とエイジングの両方にアプローチできる魅力があります。塗る順番としては、ビタミンC誘導体が入った化粧水のあとに、レチノール配合のクリームや美容液を重ねるのがおすすめですよ。
コメント: 土屋佳奈先生
美白成分ならほかにも、トラネキサム酸やハイドロキノン、アルブチンなどにも注目してみて。
また近頃話題にあがることが多いナイアシンアミドとの組み合わせも、土屋先生のいちおし。ナイアシンアミドは美白とシワ改善の有効成分であると同時に、バリア機能をサポートする働きにも期待されている。はじめてのレチノール使用などで不安があるひとは、試してみる価値アリかも。
レチノールを塗る際の注意点
つづいて市販のレチノール配合化粧品を使う際に気をつけるべきポイントを、土屋先生がアドバイス。
目まわりは慎重に
シワが気になる部分としてまず思い浮かぶのは、目尻や口角の周辺。レチノールはひとによって刺激を感じることもあると聞くけど、気にせずぬっても大丈夫?
目まわりや口まわりといった粘膜の付近は、顔のなかでも特に刺激を感じやすい部分です。レチノール製品を使うのがはじめてなら、いきなり塗布するのは避けたいですね。まずほかの部分で様子をみて、大丈夫そうなら目のまわりにもぬってみるといったように、段階を経て取り入れるのがおすすめです。
コメント: 土屋佳奈先生
体に塗る場合
また最近は、ボディケアでレチノール製品を使っているひとが増えているみたい。体に塗る際の注意点についても教えてもらった。
市販のレチノール配合化粧品を使う際は、肌トラブルを感じない限り過剰に心配する必要はありません。ぬってみて違和感がなければ、ケアを続けてよいでしょう。
コメント: 土屋佳奈先生
体も顔と同じように、ぬっていてヒリヒリや痒みなどを感じるようなら使用を見合わせ、皮膚科で相談しよう。
レチノール使用中、紫外線を浴びてしまったら
ほかにもレチノールの説明でよく目にするのが、“レチノールの使用中に紫外線を浴びるのはNG”という注意喚起。実際に紫外線を浴びてしまうとどうなってしまうの…?教えて、土屋先生!
レチノールはその種類によって、安定性を保つのが難しいとされる成分。紫外線にあたることで変性し、本来の効果を発揮できない可能性が考えられます。朝に使わず夜の使用のみを推奨しているアイテムもあるので注意が必要です。
コメント: 土屋佳奈先生
また、レチノールの使いはじめなどで肌が敏感になっているときに紫外線を浴びてしまうと、シミなどの肌トラブルを誘発しやすくなるリスクがあります。レチノール使用中の紫外線対策はしっかり意識しましょう。
コメント: 土屋佳奈先生
土屋先生のおすすめは、日焼け止めとあわせて帽子などのUV対策グッズをうまく活用するスタイル。せっかくのスキンケアを台無しにしてしまわないためにも、レチノールと紫外線対策はセットで考えて。
皮むけはいつまで続く?A反応に対する正しい対処法
レチノールに魅力があることはわかったけど、少し不安なのはその刺激感。皮むけが起こるなんて話も耳にする…。実際のところどうなのか、土屋先生が解説してくれた。
クリニックで処方されるトレチノインは、市販の化粧品に配合されるレチノールに比べて約50〜100倍もの生理活性作用があるといわれています。ひとによっては皮むけや刺激感などの副作用が起こることもあるので、医師の指導のもとで使うことが大前提。
コメント: 土屋佳奈先生
いわゆるA反応と呼ばれるもの。もともとひとの肌に存在するビタミンAの保有量が少ないひとほど、使いはじめに刺激感が出やすいのだとか。皮むけが起こったときはどうしたらよい?
皮むけやヒリヒリ感がある場合は、塗る量や頻度を減らすなどして様子を見ます。トレチノインはだんだんと慣らしていくことで、肌の中にレチノール受容体が増えるとされるもの。A反応がおさまるまでの数週間から数カ月は、刺激をうまくかわしつつ、ケアを継続していくのが理想ですね。
コメント: 土屋佳奈先生
クリニックでは、そのひとの肌質や生活環境に合わせて、塗る量や頻度をアドバイスしてくれる。クリニック処方の医薬品と市販のレチノール配合化粧品は別ものだけど、化粧品の場合も使っていて赤みやヒリヒリを感じるようなら、おさまるまでは使用をお休みしよう。
また、レチノールの使用中は保湿ケアも重要。肌がカサつくと毛穴が目立ちやすくなることもあるため、うるおいキープは常に心がけたい。
ヒアルロン酸などの保湿成分が配合された化粧品がおすすめです。さらに気になる場合は、レチノールをぬったうえから部分的に保湿クリームをプラスするなどして対策をしましょう。
コメント: 土屋佳奈先生
すっぴんに自信がもてる肌を目指すなら、レチノールの魅力はぜひともチェックしておきたいところ。レチノールの特性や、紫外線を避けるなどの注意点にも気をつけながら、日々のスキンケアアイテムに仲間入りさせてみて。
取材協力/皮膚科専門医 土屋佳奈先生
▶︎皮膚科専門医|親切な診察で有名|土屋佳奈 (s-d-m.jp)
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ビタミンAにはレチノールのほかにも、クリニックで処方されるトレチノインから、一般化粧品にも配合されるパルミチン酸レチノールまでさまざまな種類があり、それぞれに安定性や効果が異なります。
コメント: 土屋佳奈先生